セシウム蓄積濃度の閾値について パンダジェフスキー論文から

心電図表

セシウム蓄積濃度の閾値について、バンダジェフスキー論文から」のブログ内記事は以下の項目でまとめてあります。
http://d.hatena.ne.jp/leaf_parsley/20110926
チェルノブイリの子ども達のセシウムの蓄積量と心血管の徴候と食事の関係 -予備的考察:リンゴペクチンの経口摂取後の観察
抄訳と検討 (ミクシでの議論)
・naka-takeさんによる、参照資料一覧
・資料整理
・実験日付およびリンゴペクチン関連の資料一覧
http://d.hatena.ne.jp/leaf_parsley/20110927
・実験日推測(ミクシでの議論)
・IRSNの検証資料 (ミクシでの議論)
・もう一つのデータ解析 グループ分けと 食事 (ミクシでの議論)
・もう一つのデータ解析 心音、血圧、心電図 (ミクシでの議論)
・参照実験2004年、リンゴペクチンの評価
http://d.hatena.ne.jp/leaf_parsley/20110928
・ディスカッション

チェルノブイリの子ども達のセシウムの蓄積量 ー実験日の推測ともう一つのデータ

http://tchernobyl.verites.free.fr/sciences/smw-Galina%20Bandazhevskaya.pdf
スイスの雑誌に掲載されたこの記事の実験は 7歳から17歳の平均12歳の子ども達94人を対象に行われているんですが、実験の施行期間が不明なため、彼らが初期被曝を受けているか否か、初期のセシウム蓄積が高い時期を経ているかどうかがよくわかりません。
そのため、実験時期を推測する作業を行いました。

最初は
1998年には、バンダジェフスキー先生は収賄の容疑で逮捕され、翌年釈放、釈放後はミンスクで軟禁、その後フランスへという経過をたどります。 したがってこの実験は1998年以降ということはまずないだろうと考えましたが、

↑この推測はどうやら間違っていて、ミンスクに移動して以降、奥さんのバンダジェフスカヤ教授が参加された実験だそうです、2番目の名前の、V. B. Nesterenko,教授は、ミンスクベラルーシ大学とベラルド放射線研究所のTOPの方で、ヤブロコフ論文でもメイン著者として参加しています。
2001年に、銀の春サナトリウムで600人を対象とするビタペクトの実験がありました。おそらくそれか、あるいはその前の試験的な実験がこれにあたると思われます。
この実験には、もう少しだけ詳しいべつのレポートがありました。

Functional state of cardiovascular system in children, living permanently on the radiocontaminated territories
http://tchernobyl.verites.free.fr/z_angl/sciences_publications/Functional_state_cardiovascular.htm
スイスの雑誌論文よりも簡潔で、わかりやすいです。 興味深いのは、Table2とTable4が存在している点で、細かいところで参考になります。例えばTable2のNoise of systolic click に注目すると、グループ間の差はほとんどありません。 同様にTable4のECGでの詳細チェックをみると、1,2,3、の項目では、異常がむしろ実験後に増加している場合が見られます。

2004年に同じスイスの雑誌にだされた、ペクチン投与実験です。
http://www.smw.ch/docs/pdf200x/2004/01/2004-01-10223.pdf
Reducing the 137Cs-load in the organism
of “Chernobyl” children with apple-pectin
V. B. Nesterenko, A. V. Nesterenko, V. I. Babenko, T. V. Yerkovich, I. V. Babenko
この実験では、対象者はすべて1990年以降に生まれています。事故の直接の影響のない子ども達となります。彼らの実験前のセシウム蓄積量は 25〜40ベクレル/Kgです。1993年以降、セシウムの経口量を厳しく制限してきたベラルーシで、この値になるのは、ある意味当然なのかもしれません。 
こちら数字を見る限り、被験者の1/3が122ベクレルを超えていたバンダジェフスカヤ論文での被験者の一部が、1990年以前に(おそらく事故前も含めて)生まれている可能性は十分高いです。

とりあえず実験期間を2001年と仮に推定し、約半数が事故に何らかの形で遭遇するか、初期の高濃度セシウムの影響を被ったとして考察を進めることとします。

ーーーーーミクシより
naka-take
筆頭著者のGalina Bandazhevskaya氏は小児科医で、メアドを論文外で公開してそうに無いので、セカンドのネステレンコ氏にメールしたら良いじゃないか〜と思ったら、既にお亡くなりになっていたのね…orz
http://en.wikipedia.org/wiki/Vassili_Nesterenko
バンダジェフスキー氏は55歳で御健在のはず。
http://en.wikipedia.org/wiki/Yury_Bandazhevsky
今どこにいるのでしょう?
1990年から就任しているはずのGomel Medical Instituteが見当たらない・・・既に解体されているのかも
残るは禁断のCRIIRADか…ここ伝手に聞いてみるってのは、データの信憑性の問題が出るので、聞いたところで「その情報ってどうよ?」から抜け出せない気もしますが、まずは聞いてみました。
http://theboldcorsicanflame.wordpress.com/2011/03/27/criirad-commission-for-independent-research-and-information-on-radioactivity-international-campaign-no-radioactivity-in-our-food-international-nuclear-lobby-is-lying/
こことか見てるかぎり↓何らかのやり取りはしているっぽいので
http://www.voy.com/22070/3/313.html
何らかのレスがくればお知らせいたします。
改めて論文読むと、
1996年からサナトリウムでのペクチンの投下が始められた、とあって、検査対象の子供の年齢が7歳〜17歳なので、434の2は無いのかなぁ。
1986年の事故直後の被曝は、実験が1996年に開始されたとしても、7〜9歳の子供には関係ないはず。
ただ、どうしても気になるのが、Table1のグループを3つに分けたときの、数値のいびつさです。
94人を選んで、The children were allocated to three groups, depending
on their C-137 loads measured at entry. としたのならば、30人ずつでこんな綺麗な分布をしているのが不思議です。普通に考えれば、縦軸を人数、横軸を体内のセシウム蓄積量にすると、なだらかな(急かも)右肩下がりのスロープを描くはずです。それを人数で3等分にしてグループ1、2、3と分ければ、各々の集団内の標準偏差はもっと高くなるはずです。しかも食料自足率と対応していない。
なので、このサンプリング自体になにかしらのバイアスがかかっていると予想します。
ここらへんが聞けたら良いんだけどなぁ・・・


もち >456 リーフレインさん
http://chernobyl25.blogspot.com/2011/07/13.html
上記の内容にある
以下引用
>6. 7歳から17歳までの94人の子どもたちを、ホールボディカウンターで測定したセシウム137の汚染レベルによって、まず2つのグループに分け、ビタペクト1回5グラムを日に2回、16日間にわたって経口投与した臨床試験の結果、セシウム137の体内蓄積量において有意な減少がみられ、心電図も著しく改善した(EKG; Table 13.2)。
ここまで

は、同じデータと思われます。(2001年6月〜7月にかけて行われたとされる実験)
違うのは、片方はペクチンと商品名は書いてませんが、こちらは「ビタペクト」と使用したペクチンの商品名がでております。

ビタペクトが商品と認定されたのは2000年です。

上記サイトより引用
>3. 1996年、ベルラド研究所はセシウム137の排泄を促進するために、ペクチン性補助食品(フランスのメデトペクト(Medetopect®)およびウクライナのヤブロペクト(Yablopect®))にもとづく腸内吸着療法を開始した。1999年、同研究所はヘルメス社(本社:ドイツ、ミュンヘン市)と共同で、ビタペクト(Vitapect®)の名で知られるアップルペクチンを添加した合成剤を開発した。ビタペクトは粉末状で、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、E、およびベータカロチン葉酸を補った濃縮ペクチン(18%〜20%)と、カリウム亜鉛、鉄、カルシウムなどの微量元素、および香料との化合物である。ベルラド研究所は、ベラルーシ保健省の認可を得て、2000年からこの補助食品を生産している。
ここまで

実験が2000年でなければ、1999年。
どちらかでしょう。

リーフレイン
>もちさん

そのサイト読むのはじめてです。 ありがとうございます。
その記述をそのまま下まで読んでいくと、

6.  7歳から17歳までの94人の子どもたちを、ホールボディカウンターで測定したセシウム137の汚染レベルによって、まず2つのグループに分け、ビタペクト1回5グラムを日に2回、16日間にわたって経口投与した臨床試験の結果、セシウム137の体内蓄積量において有意な減少がみられ、心電図も著しく改善した(EKG; Table 13.2)。

これがあるんで、もしかして、同じ実験の一つだったみたいですね。ということになると実験は2001年。
ああしかし、600人を対象にして行った実験でなんでいちいちレポートのほうの人数を小さくするのかな、、、全体数で出してくれれば、疑問の余地も出てこないのに、、

naka-take >460
データの抽出があったのかなぁ、と疑います。
@投与されてたのがビタペクトだったら、ビタミンとかの影響を考えないといけません。
また仮定が増えるのか・・・orz

IRSNによる検証

少し横道のそれますが、 2005年に当時のフランス在住のベラルーシのフランス大使が、ペクチンの効能についてIRSNに評価を要請していました。IRSNの学者たちは、それを受けて 一つの論考をまとめています。
中に、ここで扱っているいくつかの論文が査読を受けているので、参考にあげておきます。

http://www.irsn.fr/EN/news/Documents/pectin_report.pdf

Analysis

This study aims to assess the health consequences, particularly in terms of the incidence of cardovascular sympotms, of an administration of pectin over a period of 2 weeks. ECG record abnormalities are observed in most of the children, but no information is provided as to the precise nature of the abnormalities(conduction disorders, auricular rhythm disorders, ventricular rhythm disorders,etc.) , the authors make do with speaking of patological ECGs and abnormal heart sounds, without these being precisely characterised.

An improvement in the ECG apears to be induced by pection in the groups of children contaminated by caesium, with a reduction in the incidence of around 15%. It should however be pointed out that 50% of the non contaminated children also have an impaired ECG, a particularly high Consequently,this data absolutely does not enable one to come to a conclusion as to a possible cause and effect link between contamination by caesium137 and cardiovascular rhythm disorders.

Moreover, no mention is made at any stage of searching for other aetiologies of these disorders. It is therefore indispensable, even before setting up a clinical study aimed at evaluating the efficacy of pectin in these children, as has been proposed by the authors, very precisely characterise the nature of the cardiovascular disorders and to study all of their possible causes, particularly by carrying out cardiac ultrasounds.


In addition, the authors state in their article that the more contaminated the children by caesium137, the more they suffer from thoracic pain, headaches, irritability, bleeding noses, fatigue and the presence of such pathologies to be affirmed and, above all, do not state whether such disorders evolved during the course of the treatment and do not look for their other possible aetiologies, such as a nutritional deflict, unhealthy living conditions,etc.

Forthermore, it should be pointed out that an admittedly minore error exists in the sex radioindecated by the authors, who state that the study was conducted on 94 children, made up of 46boys and 48girls. However, the summation of the boys and girls from each of the 3 groups gives a total of 45 boys (16+17+12) and 49 girls(17+14+18).

Finally, with regard to the efficacy of pectin on the reduction of contamination by caesium 137, the authors do not provided any explanation as to an apparently higher efficasy in moderately contaminated children(-39%) than in heavily contaminated children(-28%).


この研究は、2週間にわたるペクチン投与管理後に、心血管関連の異常の発生率の点から、健康結果を評価することを目的にしている。ECGの異常はほとんどの子どもの間で観察される。しかし、異常の詳細な情報(伝達混乱、リズムのずれ、心室リズムの混乱など)の正確な情報の提供がされていない。筆者は正確に特徴づけられていない「異常音」とのみ言及して間に合わせてしまっている。 
 セシウムによって汚染された子供たちのグループで、ペクチンの使用によって約15%の異常音の発生率の減少がみられたと主張している。しかしながら、汚染のない子ども達のなかで50%の異常音がそもそもあったという点については指摘されるべきである。
 さらに、セシウム137の蓄積がこの心音の異常を引き起こした原因であるという結論はこのデータから到達できるとは限らない。これらの障害が他の病因によって引き起こされた可能性を考察することは実験のどの段階でもなされていないのである。 本来ならば臨床研究をセットアップする前に、こうした心臓血管疾患を特徴づける原因の可能性をすべて検討されるべきである。
 筆者はセシウム137の汚染によって、多くの自覚症状ー胸痛、頭痛、いらいら感、鼻血疲労、等々ーがあったことに言及しているが、 それらの自覚症状は、不健康な生活や、環境など、他の要因によって引き起こされうる可能性については言及していない。
 小さいミスではあるが、数字上のミスも指摘しておきたい。性別に関してだが、46人の少年と48人の少女とあるが、45人の少年と49人の少女の間違いである。
最後に、セシウム137の蓄積の縮小が、もっとも蓄積の多い第3グループ(-28%)よりも、中間グループ(-39%)で、より効果があがった点についても説明がなされていない。

以下ミクシの議論ですーーーーーーーーーーーーーー
B
ペクチンの話ですみません。(論文の評価については未読なんで保留。)
ペクチンのうち、自然食関係のショップや、プロ用食材屋さんなどで売ってるのは、水に溶いてジャム造るやつでした。
これはオッケーです。
しかし、今ネット通販などで出回ってるのは、錠剤なんですね。
これを毎日飲んだりすると、非常識に莫大な量を摂取することになりますので、当然、副作用が懸念されます。薬事法をスルーしてきていますので、基本的にこうしたものは危ないと認識しとかないといけないです。

リーフレイン
Bさん 了解  怖いですね中々。

B
>さらに、セシウム137の蓄積がこの心音の異常を引き起こした原因であるという結論はこのデータから到達できるとは限らない。これらの障害が他の病因によって引き起こされた可能性を考察することは実験のどの段階でもなされていないのである。

この部分とか、他のかなりの部分が、言い掛かりですね。
こんなに高い割合で異常があったのなら、なんらかの環境汚染か疫病などがあったはず。
放射能でないと本気で考えるなら、逆に焦りまくって他の原因を解明しないといけないのに、このコメンテーターは何を平然と述べているんでしょうか。放射能でない場合のほうが人類の脅威かもって事態です。
あんだけの事故があったんだから、まずは放射能を原因と見ておくべきでしょうし、コメンテーターも内心はそう思ってるんじゃないかな。


リーフレイン
いやいや、「この時点でのセシウムの蓄積」が元凶じゃなくて、「初期被曝+初期被曝による甲状腺損傷の複合影響」か「初期の濃度の高いセシウム蓄積による組織の損傷」が直接原因になってるんじゃないか?っていうのをほのめかしてるんですよ。ウランとか、ストロンチウムとかも結構分布してますし。
というのは、この状態で、セシウムの蓄積は 30ベクレル/kg〜100㏃/Kg なんですが、12歳の子の標準体重を30キロと見積もって、 900㏃から3000㏃相当になります。 正直単純な崩壊エネルギーと考えるとカリウム40とさほど変わらないんです。もちろんカリウムとは分布箇所が違うので一概に言えないです。
こないだまで調べていた文献の中でも、むしろ、甲状腺の異常からくる複合的な影響で、心血管関連が傷んでいるんじゃないか?と
この論文でも、詳細データが追加されている別版のほうの心電図の報告をみると、一項目以外は変化がありません。
あと、セシウム蓄積が少ない子ども達のグループでも50%の心音異常があるということと、実験後に血圧関連は値の減少がみられなかったということと、心電図での改善は各グループでも少なかったという点からみても、 心血管、および心筋関連の損傷が、かならずしも短期的なセシウム蓄積量に連動しうるものではないことが想像できます。

そのあたりの切り分けは福島を見る上ではとても大事です。 ベラルーシは子ども50ベクレル大人75ベクレルの蓄積基準を設けたんですよ。実際的には彼らは被曝量が大きいですから、おそらくその必要があったと思います。 ですが福島の初期被曝はチェルノブイリよりかなり小さいし、今の所α線種による被害報告もあがってきていないんです。  セシウム蓄積量をどこにみつもるか?というのは、食品の生産制限と直に連動してくるので、熟慮が必要な部分だと思います。
というか、セシウム蓄積量で 制限掛ける気があるかどうかかから、、、その辺は自分は必要だと思ってるんですが、それを誤解の余地なく証明しうるものがないので、主張も今のとこしずらいです。

もう一つのデータの解析 グループ別と 食事の調査

検証を試みている↓の論文には
チェルノブイリの子ども達のセシウムの蓄積量と心血管の徴候と食事の関係
予備的考察:リンゴペクチンの経口摂取後の観察
http://tchernobyl.verites.free.fr/sciences/smw-Galina%20Bandazhevskaya.pdf

同じメンバーの同じ数値を扱っているもう一つの論文が存在していました。↓
Functional state of cardiovascular system in children, living permanently on the radiocontaminated territories
http://tchernobyl.verites.free.fr/z_angl/sciences_publications/Functional_state_cardiovascular.htm
こちらには、心音と心電図の少し細かいデータが載っていたので、読んでみます。

目的
1、子ども達の居住地域の汚染度と、セシウム137の蓄積量との関係を調査する。
2、心血管系の指標としてECGと、血圧検査を用い、セシウム137の蓄積別の 臓器への影響を分析する。
3、ヴィタペクト摂取前と後のECGをトレースする。

手法
ゴメリ地区からやってきた94人の子ども達(7歳から17歳の46人の男の子と48人の女の子)を対象とし、サナトリウム銀の春で滞在。 最初に子ども達のセシウム137量を計測、(SKRINNER-3M)
16日間の食事療法を行う。 

第1グループ31人 平均セシウム137量 38 ± 2.4 Bq/kg,
第2グループ30人 平均セシウム137量  122 ± 18.5 Bq/kg.
対照群33人 セシウムの蓄積はなく、吸着治療の必要もない。(ビタペクトの投与はしない) 年齢、性別の偏りはなかった。

16日間第1、第2グループは毎日ビタペクトをセシウム除去剤として服用。 この結果、第1グループで23 ± 2,5 Bq/kg (スタート時の60%) 第2グループで88±18,5 Bq/kg (スタート時の72%)にまで減少したた。


結果:
総数としての心筋系、血管系の自覚症状は、減少した。10 (30.3%)、12 (38.7%); 19 (63.4%).
自覚症状数は第1第2グループと対照群とを比較すると、第1第2グループでの減少幅のほうが大きい。 control group 10 (30.3%).


表1
食べ物のデータ
人数
Control group 33人
1st group 31人
2nd group 30人

1、Milk and products from forest
1st group:19 (61,3%)
2nd group:29 (96,7%)
10 (30,3%)

2、Foodstuffs from private farms (milk, meat)
1st group:1 (3,2%)
2nd group:1 (3,3%)
Control group:5 (15,2%)

3、Products from forest (berries, mushrooms, game)
1st group: 2 (6,5%)
2nd group: -
Control group: 4 (12,1%)

4、Do not eat the foodstuffs, mentioned above
1st group:9 (29%)
2nd group:-
Control group:14 (42,4%)

私見ーーーーーーー
なんらかの形で私営農場及び森の食べ物を食べている人数
1st group: 22/30 人 (73%) 平均セシウム137量 38 ± 2.4 Bq/kg,
2nd group: 30/30  人 (100%) 平均セシウム137量  122 ± 18.5 Bq/kg
Control group: 19/33 人 (57.5%)

(実は↑私営農場食品を食べているからといってセシウム蓄積があがるとは限らない。あくまでその品次第なのだろう。しかしセシウム蓄積が100以上のグループでは100%私営農場製品を食べているので、蓄積量から食品への関係はいえる)
ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー以下ミクシ
B
医学は変わった学問で、患者で実験ができないとか、治療しないわけにいかないとか、さらには医師は医療のプロであって研究はある意味では専門じゃないなどなど、特殊事情があろうかと思います。
本来なら、もしリーフさんの考察するようなことを言うなら、一人一人のセシウム蓄積量を、1、2、3の要因の関数とするモデルを立て、寄与率や係数を求めたり、フィッティングを検定すれば良いんでしょうけど、そんな都合よくは材料(子供たち)の入院前の食事が揃わないんでしょうね。
これだけから、食事とセシウム蓄積の相関を言うのは過剰考察とは思いますし、論文の筆者もそう思ってやめたんでしょう。
でも、大体どんなかんじのことが起こってたのよ、ということをアバウトに考えてみるなら、リーフさんの考察通りなんじゃないかな。
この環境下及び社会状況下では、やばい可能性のある食品をちゃんと避けるようにしてた人々については、体内がヤバくなることはさけられてたのかも、と。
「かも」必須ですが。

あと、グループ1、2に治療しないでデータだけとるのは、可哀相だからしなかったんでしょ。
倫理的に納得できます。
治療しなかっ場合どうなんのかは、サイエンスとしては何も言えないけど、ごくアバウトには、いわゆる生物的半減期の調査事例が、似たようなレベルの体内濃度の子供についてあれば、そこから想像できますね。

らぶちん
http://www.nsc.go.jp/housya/20100130_youshisyu.pdf
http://www.aesj.or.jp/atomos/popular/kaisetsu200701.pdf
って既に読んでいたっけ?
読んでみて、ああ、チェルノブイリハートにつながるのか〜とやっと理解した相変わらずの
周回遅れだわ〜。
チェルノブイリハートの映画のうたい文句が85%の新生児が心疾患を持っているでしょ。
でも、その統計はどこから?というのがやっぱり見つけられないんだよね〜。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/201108
こんなのもあったよ〜。
バンダ系論文だと、どうしても行き詰まりがあって、チェルノブイリ(特にベラルーシ)の心疾患で検索してみました。
読めば読むほど、フランスのダメだしがまともだよなぁと思っちゃうんだよね。
バイアスかかりまくりかも〜。

リーフレイン
UNSCEARのは知らなかったです〜〜 金子先生のは既読。
つかさ、チェルノブイリハートも今回のバズビー教授も、さらにいえば、ヤブロコフ論文も、元をたどるとバンダジェフスキー教授の剖検論文にいきつくのよ。 数値の扱いが酷い、というのでけられているにもかかわらずね。 (正直バンダジェフスキー夫妻は、がむしゃらなんだけど、論理的な詰めが甘いような気がするんだよね。 論理を追う余裕がないぐらい、データがあふれまくってた時代にゴメリに居たって話なのかもしらんけど。)
ミンスクに移動してからしばらく実験をともにしている、ベラルーシのベラルド研究所のV. B. Nesterenkoという教授もヤブロコフ論文のメインの著者の一人なんだけど、やっぱバンダジェフスキー論文からスタートしちゃう。
ただ、この教授の場合は、研究を綿々と続けていて、現在展開してる研究は、もっと精度が高いんだよね。 なのに今でも セシウム蓄積量ベースでの制限は 子ども50 大人75で続けるべきだという基本姿勢を変えてない点があって、 バンダジェフスキー先生じゃなくて、ネステレンコ先生がそういうなら、そうかもってちょっと思わないでもない。
まあ、わからんけどね、バズビー先生みたいな人なのかもしらんし。 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=Nesterenko%20V%5Bau%5D%E3%80%80%EF%BC%97%EF%BC%95
↑名前がかかわってるものだけで246個の論文があって、ほとんど放射線関連なの。いいものもあればダメなのもある。一部は例の ちょと怪しいアメリアカデミー出版名義の、ヤブロコフ論文の抜粋。
新生児の85%が、という話は、実は昨日原典をきちんとひいてるブログを見つけたんだけど、マークせずに読み流してしまって、、、しまたなあ、、、基本、剖検論文に来るような気がする。

リーフレイン
チェルノブイリ被害実態翻訳プロジェクト (↓も参考に)
http://chernobyl25.blogspot.com/2011/07/13.html
ただ、確実に言えることは、チェルノブイリは被害が実際にあるんだよ。
セシウムのその後の研究を追いかけてると常にひっかかってくるのが「敏感な個体には影響がある」という点と、「非常に長期にわたる場合」という点なのよ。事故被曝と初期内部被曝が大きい層にとって、セシウムがトリガーになり続ける可能性ってなあ高いし、そういう層がいる以上、あの制限は必要だと思う。 
問題は、チェルノブイリと福島の違いという点でもあって、 セシウム蓄積の可能性という点はもしかしたら同値なんだけど(今の制度のままなら福島のほうが被害が広がる可能性を秘めてる。セシウムの摂取量を蓄積から判断してないし、結果として蓄積目標値もかなり大きいものね)  だけど、基本になる状況はおそろしく良いから、どうかな?

らぶちん
ネステレンコ氏も心筋に〜って言うんだったら、動脈からファイバー入れて一部組織を持ってきて放射線で遺伝子を壊されているか測定すれば白黒はっきりするんじゃないのかなぁと、素人考え。
でも、ファイバー入れるときに被曝するけど。
評価方法がものすごくチープというのか、なんか釈然としないんだよね〜。
チェルノブイリハート、85%で生存率はどうなんだろう?って思ってしまったのよ。
人口も特に減っているというわけでもない。
なので、うーん、だからどうなんだ?って思っちゃうんだよね〜。
私も例の部検論文に戻る予感がする〜。

らぶちん
一連の論文のホールボディカウンターってhttp://www.adfutec.com/image/pdf/Catalog_AT1316.pdfを使っているのかなぁと。ベラルドが使っていたのは、コレの古い形だよね〜。

リーフレイン
http://d.hatena.ne.jp/buvery/20110716
ペクチンに関してはべりーさんが↑ さすがに精度が高い。。。
体内被曝量の算定はたしかに危ういかもねえ、、、

リーフレイン
ネステレンコ教授の論文(同じ論文データなのに、整理の仕方がちがうだけで、これだけ信頼性がますのか?という証明みたいな感じにしあがってる)では、心筋の障害は、複合的な伝達系にターゲットが絞られた形になってるね。  崩壊時のエネルギーそのもんはカリウム40のほうが2倍ぐらい大きいから、直接のダメージとしてはカリウムと同じ位置にいるかぎりは変わらんとおもうけどねえ、、、
わからんです、、、

らぶちん
そうなのよ。、カリウム40の崩壊の影響を考えると???ってなっちゃうの。
放射線に特異なもんはなく、線の種類はあれだけしかない。。
神経系に行くとしたら、化学的毒性なのかなぁと堂々巡り。
そこらへん、きっちり調べて論文書いてよーと思ってしまいます。
なので、どこに溜まって危ないとかミスリードの宝庫になっちゃうと思うんだ。


B
ペクチンの効果について
上に書いたとおり、治療しないでデータだけとる処理を、汚染の確定した子供にしなかったのは倫理的に正しいのですよ。
だから、そこがデータとして欠けているというのは、サイエンスの指摘としては当然だけど、論文への批判としては倫理的配慮に欠ける批判なんじゃないかな。
サナトリウムに収容した子供に対し、その時点で最善と考えられた治療より人体実験を優先したほうがよかったのですか、ってことになります。
まあ日本の薬事法を通すための試験なら、これだけでは通らないのはもちろんでしょうね。
また、人体投与するまえに、動物実験を当然やったはずですから、この論文だけで評価するのもへんな話です。
だからこのデータはこのデータで、こうした処理下のものとして、ここから読めるとこだけ読むべきじゃないかと思います。
セシウムの減少については、グループ内、処理前後では、おそらく1パーセント片側で有意でしょうね。生データでやってみないとわからないけど、偏差が小さいからそう考えといて大丈夫です。
その意味は、上に書いたように、生物的半減期との比較で意味があるかというラインで考えるしかありませんが、当然、意味はあると推測されます。
それと、効果があるってことは影響があるってことですから、これをタブレット化したものを処方箋無しに飲むのは、とても危険ですね。
当然ですが、セシウムだけが減るわけじゃないでしょうから。

リーフレイン
Bさん
>倫理的に正しい。
まあ、その通りですね。自分もそこはしかたないなあと思います。
別の論文で、ペクチンなしの場合と比べてる言葉があって、ペクチン(というかヴィタペクトですが)なしだと、減衰率が低かったそうです。  (こちらは数字としては出てなかったので、ひいてこれなかったんですが、地の文でそのように記述がありました)
ヴィタペクトは、補給のためにヴィタミンとセットになっているので、もしかして、そっちが効いてるのかな?

B
> リーフレインさん
ビタミンですか。
利尿剤とキレイな水のセットでもいけるのかもね。
いずれにしても、ペクチン関係で最優先で大事なのは、効果の有無にかかわらず(効果があるならなおさら)、タブレットでの使用には医師の監視が必要ってことだと思います。
野放しにしちゃダメですよね。
ジャムパンと味噌汁の、ちょっとへんな朝ごはんまでなら、目くじら立てなくてもオッケー。
それぐらいなら、それなりに良い面もありそうな雰囲気ってことかも。
※趣旨の血管関係離れててすみません。

もう一つの論文、詳細検討続き 心音と血圧と心電図

☆心音

胸部の心音の聴診の結果は、収縮期雑音(functional systolic noise)と収縮期クリックが 第1グループで26人(83.8%)、第2グループでも26人(86.7%)の子ども達から聞こえた。 対照群では16人(48.5%)の子ども達に雑音がある。

Clean, loud tonesは、対照群で51%となる、グループ1の5 人(16,2%) グループ2の4人 (13,3%)と比べると多い。

Table 2

Frequency of auscultative modifications in children os the basic and control groups

Auscultative data

1
Functional systolic noise
18 (58,0%)
22 (73,4%)
12 (36,4%)
2
Noise of systolic click
8 (25,8%)
4 (13,3%)
4 (12,1%)
3
Clean, loud tones
5 (16,2%)
4 (13,3%)
17 (51,9%)

参考↓心音
http://suuchan.net/note/Chapter-030302.html 

私見ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
対照群(セシウム蓄積なし)のグループでも、心音の異常が48.5%あったのは、どう考えるべきなのかな? セシウム蓄積と心臓関連の相関関係に疑いをみるべきか。それとも強烈な初期被曝が影響しているとみるか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

☆血圧

The level of arterial pressure is a basic indication of the functional state of cardiovascular system. When performing functional loading probes the reliable increase of the hypertonic type of vascular reaction to the physical load in 8 children (25.8%) of the first group and 15 children (50%) of the second group of the basic group and in 3 children (9.1%) of the control group (Table 3, fig. 4).

動脈の血圧は、循環器系の機能をみる基本的な指標だ。
セシウム蓄積量の高いグループでより高い緊張が見られた。 
第一グループで8人(25.8%) 第2グループで15人(50%)。これに対して、対照群では3人(9.1%)。 
Type of vascular reaction
1、Normotonic
21 (67,7%)
12 (40%)
28 (84,8%)

2、Hypertonic
8 (25,8%)
15 (50%)
3 (9,1%)

3、Asthenic
2 (6,5%)
3 (10%)
2 (6,1%)

ーーーーーーーー私見ーーーーーー
低血圧症に近い3番に該当する子どもは、各グループで差がみられない。
これは、セシウム蓄積そのものが直接的な病因ではない可能性がある。
いっぽうで、高血圧傾向を示す2番では明らかな偏差が出てる。セシウム蓄積量に応じて、血圧へのストレスが存在することを示しているかもしれない。しかし、実際に治療が必要とされるほど悪化するまでには至ってない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


☆心電図


In children of the first and second groups and control groups ECG-modifications were accordingly found in 25 (87.1%), 28 (93.4%) and 17 (51.5%).
The present modifications are disorder of conduction (partial bundle branch blockade) and combined modifications (disorder of metabolic processes in myocardium and partial bundle branch blockade).
4 children (12.9%) of the first group, 2 children (6.6%) of the second basic groups and 16 children (48.5%) of the control group had the normal ECG-results (fig. 1, 2). The dependence of ECG-modifications on the average Cesium-137 specific activity in children’s organism was detected.
After taking pectin, containing sorbent, there was the reliable decrease of the frequency of metabolic processes in myocardium in combined pathology in children from the first basic group from 7 (25.9%) before taking pectins and 2 (9.5%) after taking pectins (fig. 2). In children from the second basic group the present modifications before and after taking pectins such modifications were accordingly found in 14 (50%) and 4 (17.4%). In the control group there were no reliable differences, because they did not receive the sorption pectin therapy. (table 4 and fig.5).

心電図での波形変化は、1番目と2番目グループおよび対照群の子どもでは次のように見つかった。①;25(87.1%)、②:28人(93.4%)および 対照:17人(51.5%)。
現在の波形変化は、伝導の変調 (partial bundle branch blockade)と 複合的な変化(disorder of metabolic processes in myocardium and partial bundle branch blockade)である。


第1グループの4人の(12.9%)と、第2グループの2人(6.6%)および対照群の16人(48.5%)が、正常なECG結果(図1および2)だった。
子どもの平均のセシウム137蓄積量に応じてECG変化が認められる。
ペクチン投与後に、信頼できる数値での複合的な心筋の代謝機能の阻害の頻度の減少が、第1グループで見られた。ペクチン投与前7人(25.9%)から投与後に2人(9.5%)に減少している。第2グループでの、ペクチン投与前と後での改善は14人(50%)と4人(17.4%)。対照群ではペクチン投与は行われず、信頼できる変化はなかった。(表4と図5)

参考↓心筋マーカー
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02932_09

ーーーー私見ーーーーーーーー
表4をみると、項目1,2,3の点では各グループ間でまったく差がなく、正常範囲。したがって、メインの心筋の動きそのものは阻害されていない。またペクチン投与後でもそれらの値は変動がないので、このあたりはセシウムとはほぼ関係がないといえる。

唯一変化があるのが、Combined pathologies と題された部分。説明をみると、どうも代謝伝導関連の数値??? 伝導の変調 (partial bundle branch blockade)と 複合的な変化(disorder of metabolic processes in myocardium and partial bundle branch blockade) 分かる人がいたら教えてください。

この点はElsya さんから指摘があって、4は1〜3の複数に該当した数を抽出したものです。
したがって、1,2,3、の値もかさ上げして考える必要があります。
ーーーElshaさんより↓
1は調律異常だろうな、と(不整脈ですね、洞性不整脈って言葉が緒言のあたりにあったかと)
2は伝導異常、で、小児に多いのは右脚ブロックかな?と
4は多分、1, 2, 3のどれか2つ以上が見られるものではありませんかね?
ーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー

☆論文の結論は
CONCLUSIONS

1. Children, living in villages and eating foodstuffs, produced there, and products from forests, have the high Cesium concentration in the organism.
2. Children from contaminated districts have functional modifications of the state of cardiovascular system, which appear as systolic noise, high arterial pressure, ECG-modifications in heart.
3. Presences of systolic noise, high arterial pressure and ECG-modifications in children’s heart are in dose dependence from the level of the Cesium-137 accumulation in the organism.
4. The use of pectins improves electrophysiological processes in myocardium, due to the decrease of metabolic processes on ECG.
1、田園地帯にすみ、私設農場や森からの食品を口にしている子ども達はセシウム蓄積が大きい
2、汚染地帯の子ども達は、心音、心電図、血圧検査から、心機能に影響を受けている
3、子ども達の心音や血圧、心電図での異常は 器官へのセシウム蓄積量程度に応じて表出されている。
4、ペクチンによって、改善がみられる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あと図のほうで、自覚症状についてのグラフがあります。蓄積濃度に応じて自覚症状が多かったです。

ーーーーミクシより
リーフレイン
自覚症状の改善については、naka-takeさんのご指摘のように、ヴィタミン剤としてのヴィタペクトの効果の可能性も無視できない気はします。(セシウム吸着剤としてだけではなくて、ヴィタミン補給の意味で)

コーリー
論文の結論としては1〜4で良いと思いますが
3.4については怪しい部分がありますよね。
>強烈な初期被曝
これもセシウムによるものであれば、現時点でも何らかの痕跡が見られるはずでは?
セシウム以外の被曝であれば可能性はあると思いますが、その場合にはむしろ論文の蹴るトンを否定するものになるでしょう。
4についても、すでにntさん等から別所で指摘の有ったように『ビタミン配合』ですよね・・・・
ペクチンが効く検証であれば最低限(ペクチン無しは倫理的に困難という配慮をしても)
ビタミン無しのペクチンを対照投与すべきじゃないのかなあと
あとはペクチンの排出能についてですが、動物実験で効いていないのは気になる所です。
糞便の分析を詳細にすべきだったのでは無いかと・・・・


リーフレイン
コーリーさん
そう、3,4、ですよね
結局んとこ、セシウム蓄積量以外では、心音と血圧上昇傾向(マイルド)と伝達系電位と自覚症状が実験初期におけるセシウム蓄積による差だったんですよね。 しかも改善されたのは伝達系の電位と自覚症状。 項目によってはセシウム蓄積による差もみられないものがありました。
10歳の子の生物学的半減期は50日ですから、体内組織側にいってしまったセシウムの除去は 16日の治験では半分以下とみたほうがいいですよ。  半分減ったことで劇的に差が出る症状というと、組織的な変容はありえないですから、生理化学的な反応部分になります。
だから、逆に、この期間で改善がみられた箇所というのは、かならずしもセシウム起因ではないかもしれない。 逆に、蓄積差のある症状があり、しかも改善されなかった箇所こそがセシウム蓄積起因の障害なのかもしれないです。


コーリー
>生理化学的な反応部分
これですと、問題は放射性であるかどうかではなく、化学形に依存してしまうわけです。
そして化学量としてはセシウムは極微量であり、この量で有意に害が出るのであれば
セシウムを扱う研究者、工業者に既に同様の症例が見られるはずです。
ですので、機構的にかなり怪しいというか、そんな気がします。

リーフレイン
コーリーさん
だからそこでヴィタミンの効能って話に、、、

コーリー
恐らく、しっかりと統制した実験を行った場合にそれが結論じゃないかなあと。
様々な混乱による栄養の偏りと、ストレスによる症状という・・・・

リーフレイン
これね、2か月続けてくれないかなあと思いました、生物学的半減期の1回分ぐらい。
そうすると、新規に組織に入る分が激減しているはずだから、かなり傾向がわかるんじゃないのかな?
ペクチンに関してはそれっとして、 症状そのものは、ストレスだけでは説明しきれないと思いますよ。 ストレスと栄養の偏りだけならば、  計器で計測される症状のほうは、もう少しばらけると思うんですよ。 自覚症状のほうは別として。
結論をつけてしまうのは速い気がします

コーリー2011年09月19日 21:00
確かに、推測で結論は不味いですね・・・・
もう少し長くというのは同意ですが、今からは無理でしょうね。
>ばらける
欠乏する栄養素が特定のものであれば、類型的なその欠乏症が出るかと思います。
地域的に欠乏しやすい栄養もありますし、自家農園という外部隔絶じょうたいでは更に加速されるかと。
しかし、特定の結論を出すには質・量共に不十分なデータばかりと思われます。
これは執筆者の状況によるものなのか資質によるものなのか・・・・
いずれにせよ、(簡単に却下できないのもわかりますが)学会的に評価されなかったのは
止むを得ないかなと

Elysha
こんにちは。
Table 4を見ていたのですが、3. Disorders of oxidizing-restoring processes と 4. Combined pathologies が不明です。
後者は多分、上の 1, 2, 3 の複合したもの、ということだろうと推測しますが・・・
心電図で酸化還元過程の異常、とはどういうことかが解りませんでした。
いずれにせよ、1, 2, 3単独の被験者についてはペクチンで改善はみられず、複合的な変化を示す被験者だけが改善がみられた、ということのようですね。
心雑音、心電図変化(多分脚ブロックか?)とも、健康な小児でもみられるものですが、複合的な変化だけがコントロールに比べて汚染地域では割合が高いのですね。

リーフレイン
こんにちは、 Elyshaさんもわからないですかあ、、、(実は期待してたんですよ、説明をしていただけるかと、、、、)
1、のDisorders of automatism は反復形が乱れてないか?って話ですよね。(これ乱れてると嫌ですもんね)
2.のDisorders of conduction はP波から始まる、PQRST波がそれなりにちゃんとしてるか?(これも乱れてると困ります)
3、がDisorders of oxidizing-restoring processes 酸化、還元プロセス、、
http://www.miyake-naika.or.jp/health_shindenzu.html
大人のQT延長症候群はある種の薬剤(とくに不整脈の治療薬など)の影響や電解質異常(低カリウム血症、低カルシウム血症)や著明な徐脈などで起こります。
とあるので、電解質異常によるQT波形の延長のこと?
4、 Combined pathologies 同じくよくわからないです、伝達系の異常? 伝達が遅れるなら1単位の波形そのものが間延びした感じになるとか、 勃起部分の高さが低めになるとか?そんな感じなんでしょうか?
波形図つけてほしいです、、、、

Elysha
1は調律異常だろうな、と(不整脈ですね、洞性不整脈って言葉が緒言のあたりにあったかと)
2は伝導異常、で、小児に多いのは右脚ブロックかな?と
4は多分、1, 2, 3のどれか2つ以上が見られるものではありませんかね?
いずれにしても、ペクチンの治験を行うぐらいですから、重篤な異常があったわけではないだろうと了解しているのですが。(日本なら心疾患が疑われれるなら精密検査を要請しますが・・・ベラルーシではどうなのかな?)
日本の中学生の心電図検査の報告ですが、参考までに。
http://kamome.lib.ynu.ac.jp/dspace/bitstream/10131/2256/1/KJ00004473748.pdf

リーフレイン
>4は多分、1, 2, 3のどれか2つ以上が見られるものではありませんかね?
どうやって足してみても、123の数値から4は引き出せてこないので、単独の視点のものなんじゃないかなあ? なんにしても、1、2,3値はセシウム蓄積量にはまったく依存していないし、実験後にむしろ数値が増えているものもあります。 数値そのものも小さくて、正常な分布範囲な気がします。
4はなになのかな?

>・ベラルーシではどうなのかな?
おそらく日本と同じだと思いますよ。 きちんとした治療が必要なレベルならば 治療してますよ。
資料ありがとうございます。

Elysha
>どうやって足してみても、123の数値から4は引き出せてこないので、単独の視点のものなんじゃないかなあ? 
いえ、1, 2, 3 はそれぞれの変化「だけ」が見られた人で、4は、1と2とか、2と3とか、123全部とか、複合して見られた人、っていう意味です。
1, 2, 3, 4, 5 の人数を足すと n になりますよね。
ん? よく見て計算すると、百分率かなり間違ってる・・・
何に対する百分率なんでしょうか?

リーフレイン
どうも計算ミスのような気がします、、、百分率。おおむね 各欄のNに対応してるけれど、4つに1つぐらい間違ってますね、、、、、どうも雑だな、この論文、、、
なるほど、そういうことなんですね。 2個以上で該当しているなら、むしろそのほうが多いだろうから、1,2,3の値が低いのは当然ですね。 (しかしわかりにくい。冗長性を出して、各欄実数表示の上で、クロス分を別欄で明記ってほうがいいのになあ、、、)

Elysha
計算の間違いがあると、その論文に対する信頼性が落ちますね。

というか、そんな論文を通したいい加減な査読の雑誌はどこだ? と思ったら・・・
雑誌わからないんですね。査読を受けていないのかな? うーん・・・

リーフレイン
これは、どこにも出てないのかな?最初に検討しはじめたのはスイスの雑誌で
http://www.smw.ch/docs/pdf200x/2004/49/smw-10219.pdf
↑なんだけど、心臓関係の数値がほとんど載ってなかったので、探し出した別バージョンなんですよ。  下書き扱いかもしれないですね。
でも、もともとのほうも、感想文に近いとこがあるんで、、、もっと問題な気がしますが、、、
Elshaさん、心音についてはいかがですか? 雑音がはいるというのは、一般的なことなのでしょうか?

Elysha
はい、子供では心雑音、特に収縮期雑音は結構よく聴取されるようです。
聴ける医者が聴くと半数ぐらいに聞こえるという話もあるぐらい。

それでも、コントロール群に比べて割合が高いようですが。
本当は、もう成人している頃でしょうから、その後どのような経過だったのか追跡調査があるといいんですけれどね・・・

 リンゴペクチン効能についての参照実験

リンゴペクチンによる、チェルノブイリの子ども達の臓器からのセシウム蓄積の減少効果
Reducing the 137Cs-load in the organism of “Chernobyl” children with apple-pectin
http://www.smw.ch/docs/pdf200x/2004/01/2004-01-10223.pdf

この実験の目的は、もともとのリンゴペクチンの効能が腸にくっついてきた重金属の吸着ー排出にあったので、 クリーンな食事だけを取っている場合に、有効な効果が出るか否か?を問うものでした。

方法は、サナトリウム銀のさじに滞在している64人の子供たちを二つのグループに分け
(1990年以降に生まれた子どもに限定。体内蓄積量は24〜40㏃/Kg 平均値30ベクレル/Kg)
一つのグループにはペクチンを与え、もう一つのグループには偽薬を 3週間与え続ける。

結果


ペクチン投与群
実験前蓄積平均30.06Bq/Kg 実験後蓄積平均11.25Bq/Kg 37%へ減少(減少率63%)

偽薬投与群
実験前蓄積平均30.00Bq/Kg 実験後蓄積平均25.8Bq/Kg 86%へ減少(減少率14%)


ペクチンの効用は、消化時の腸内吸着以外にも大きい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私見

前回の日記で 倫理的に というコメントがあったけれど、そのあたりをうまくそらした偽薬実験。
対象は 1990年以降に生まれた子ども達で、値のばらつきがない。おそらく初期の蓄積量もあまりあがってないのだと推測される。 結果を見る限り、ペクチンの有用性は顕著。問題は、被験者の選択時にバイアスがかかってないか?という点だけれど、とりあえず「効く人には効く」というレベルは証明できている。 

とはいえ、どういう機序で、体内組織内のセシウム137を排出させているのか、とても不思議。知りたい、、、、


(サマリーでは、初期の蓄積量についても言及してて興味深い。ベラルド研究所では初期に16万人の人達の内部被曝値を 移動車両で計測していた。
the 137Cs levels of 70 to 90% of the children of these regions exceeded 15–20 Bq/kg bodyweight (BW). In many villages the 137Cs levels reached 200–400Bq/kg BW, the highest values being measured in the Narovlya district with 6700–7300 Bq/kg BW.

ほとんどのエリアで15–20 Bq/kg。 農村で 200–400Bq/kg BW 最高値 6700–7300 Bq/kg BW.
これは体重30kで掛けてみると、通常600のところ、 6000から1200 最高値で201000−219000 ということになる。 20万㏃の蓄積は、10歳の子どもの場合毎日の経口1べくれるあたり60の均衡点が形成されるので、 最高値付近では毎日3333ベクレルの摂取を1年以上続けていたことになる。 

ちなみに 1ベクレルの継続摂取による均衡量は
1歳 32ベクレル
9歳 60ベクレル
30歳 120ベクレル
50歳 140ベクレル

これは推測可能な範囲だろうか?と考えると、次の資料からわりとリーズナブルに可能。

IAEAのPresent and future environmental impact of the Chernobyl accidentから
http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/te_1240_prn.pdf
TABLE VI. TEMPORARY PERMISSIBLE LEVELS (TPLs) FOR CAESIUM
RADIONUCLIDES IN DRINKING WATER AND FOOD PRODUCTS
BELARUS REGULATIONS, 1992
正確には「規制可能値」つまりこれ以下を指定しても無理だった値。
水が18.5 ミルクが111 肉で600 パンが185  ジャガイモが370 乾燥きのこが3700

Fig. 10. Distribution of Ukrainian settlements according to mean 137Cs concentration in
locally produced milk in 1992–1994.
ミルクの分布のトップは 8ベクレル/kGの位置にきてるが、256ベクレル付近までは数値的に無視できない程度に存在しているのがみてとれる。


ただ、福島の場合を考えるには、 チェルノブイリのほとんどのエリアで15–20 Bq/kg の蓄積に収まっていたことが重要で、今回のフォールアウトの比較と、日本の市場希釈の良さから考えても、おそらく同じ付近かそれ以下になるんじゃないかと思う。

その場合、30kの体重の子どもを考えてみると、
30×15=450ベクレル   30×20=600ベクレル
450〜600ベクレルの蓄積量

になると思うし、それに到達する一日の経口量は、7.5〜10ベクレルとなる。
実際の蓄積が20 Bq/kg以下ですむなら、ベラルーシのどの基準にあてはめても大丈夫なラインではあるので、あまり心配する必要はないかもしれないなあとちょっと思った。

まあでも、あまり気を抜かないでほしいし、なにより、規制可能値を厳しく設定していたという事情もある。(とりあえず現在の暫定基準値は負けてるし) おそらく日本でも無理なく設定できるレベルだと思うので、安全のためにも規制値を下げておいてほしいです。