IRSNによる検証

少し横道のそれますが、 2005年に当時のフランス在住のベラルーシのフランス大使が、ペクチンの効能についてIRSNに評価を要請していました。IRSNの学者たちは、それを受けて 一つの論考をまとめています。
中に、ここで扱っているいくつかの論文が査読を受けているので、参考にあげておきます。

http://www.irsn.fr/EN/news/Documents/pectin_report.pdf

Analysis

This study aims to assess the health consequences, particularly in terms of the incidence of cardovascular sympotms, of an administration of pectin over a period of 2 weeks. ECG record abnormalities are observed in most of the children, but no information is provided as to the precise nature of the abnormalities(conduction disorders, auricular rhythm disorders, ventricular rhythm disorders,etc.) , the authors make do with speaking of patological ECGs and abnormal heart sounds, without these being precisely characterised.

An improvement in the ECG apears to be induced by pection in the groups of children contaminated by caesium, with a reduction in the incidence of around 15%. It should however be pointed out that 50% of the non contaminated children also have an impaired ECG, a particularly high Consequently,this data absolutely does not enable one to come to a conclusion as to a possible cause and effect link between contamination by caesium137 and cardiovascular rhythm disorders.

Moreover, no mention is made at any stage of searching for other aetiologies of these disorders. It is therefore indispensable, even before setting up a clinical study aimed at evaluating the efficacy of pectin in these children, as has been proposed by the authors, very precisely characterise the nature of the cardiovascular disorders and to study all of their possible causes, particularly by carrying out cardiac ultrasounds.


In addition, the authors state in their article that the more contaminated the children by caesium137, the more they suffer from thoracic pain, headaches, irritability, bleeding noses, fatigue and the presence of such pathologies to be affirmed and, above all, do not state whether such disorders evolved during the course of the treatment and do not look for their other possible aetiologies, such as a nutritional deflict, unhealthy living conditions,etc.

Forthermore, it should be pointed out that an admittedly minore error exists in the sex radioindecated by the authors, who state that the study was conducted on 94 children, made up of 46boys and 48girls. However, the summation of the boys and girls from each of the 3 groups gives a total of 45 boys (16+17+12) and 49 girls(17+14+18).

Finally, with regard to the efficacy of pectin on the reduction of contamination by caesium 137, the authors do not provided any explanation as to an apparently higher efficasy in moderately contaminated children(-39%) than in heavily contaminated children(-28%).


この研究は、2週間にわたるペクチン投与管理後に、心血管関連の異常の発生率の点から、健康結果を評価することを目的にしている。ECGの異常はほとんどの子どもの間で観察される。しかし、異常の詳細な情報(伝達混乱、リズムのずれ、心室リズムの混乱など)の正確な情報の提供がされていない。筆者は正確に特徴づけられていない「異常音」とのみ言及して間に合わせてしまっている。 
 セシウムによって汚染された子供たちのグループで、ペクチンの使用によって約15%の異常音の発生率の減少がみられたと主張している。しかしながら、汚染のない子ども達のなかで50%の異常音がそもそもあったという点については指摘されるべきである。
 さらに、セシウム137の蓄積がこの心音の異常を引き起こした原因であるという結論はこのデータから到達できるとは限らない。これらの障害が他の病因によって引き起こされた可能性を考察することは実験のどの段階でもなされていないのである。 本来ならば臨床研究をセットアップする前に、こうした心臓血管疾患を特徴づける原因の可能性をすべて検討されるべきである。
 筆者はセシウム137の汚染によって、多くの自覚症状ー胸痛、頭痛、いらいら感、鼻血疲労、等々ーがあったことに言及しているが、 それらの自覚症状は、不健康な生活や、環境など、他の要因によって引き起こされうる可能性については言及していない。
 小さいミスではあるが、数字上のミスも指摘しておきたい。性別に関してだが、46人の少年と48人の少女とあるが、45人の少年と49人の少女の間違いである。
最後に、セシウム137の蓄積の縮小が、もっとも蓄積の多い第3グループ(-28%)よりも、中間グループ(-39%)で、より効果があがった点についても説明がなされていない。

以下ミクシの議論ですーーーーーーーーーーーーーー
B
ペクチンの話ですみません。(論文の評価については未読なんで保留。)
ペクチンのうち、自然食関係のショップや、プロ用食材屋さんなどで売ってるのは、水に溶いてジャム造るやつでした。
これはオッケーです。
しかし、今ネット通販などで出回ってるのは、錠剤なんですね。
これを毎日飲んだりすると、非常識に莫大な量を摂取することになりますので、当然、副作用が懸念されます。薬事法をスルーしてきていますので、基本的にこうしたものは危ないと認識しとかないといけないです。

リーフレイン
Bさん 了解  怖いですね中々。

B
>さらに、セシウム137の蓄積がこの心音の異常を引き起こした原因であるという結論はこのデータから到達できるとは限らない。これらの障害が他の病因によって引き起こされた可能性を考察することは実験のどの段階でもなされていないのである。

この部分とか、他のかなりの部分が、言い掛かりですね。
こんなに高い割合で異常があったのなら、なんらかの環境汚染か疫病などがあったはず。
放射能でないと本気で考えるなら、逆に焦りまくって他の原因を解明しないといけないのに、このコメンテーターは何を平然と述べているんでしょうか。放射能でない場合のほうが人類の脅威かもって事態です。
あんだけの事故があったんだから、まずは放射能を原因と見ておくべきでしょうし、コメンテーターも内心はそう思ってるんじゃないかな。


リーフレイン
いやいや、「この時点でのセシウムの蓄積」が元凶じゃなくて、「初期被曝+初期被曝による甲状腺損傷の複合影響」か「初期の濃度の高いセシウム蓄積による組織の損傷」が直接原因になってるんじゃないか?っていうのをほのめかしてるんですよ。ウランとか、ストロンチウムとかも結構分布してますし。
というのは、この状態で、セシウムの蓄積は 30ベクレル/kg〜100㏃/Kg なんですが、12歳の子の標準体重を30キロと見積もって、 900㏃から3000㏃相当になります。 正直単純な崩壊エネルギーと考えるとカリウム40とさほど変わらないんです。もちろんカリウムとは分布箇所が違うので一概に言えないです。
こないだまで調べていた文献の中でも、むしろ、甲状腺の異常からくる複合的な影響で、心血管関連が傷んでいるんじゃないか?と
この論文でも、詳細データが追加されている別版のほうの心電図の報告をみると、一項目以外は変化がありません。
あと、セシウム蓄積が少ない子ども達のグループでも50%の心音異常があるということと、実験後に血圧関連は値の減少がみられなかったということと、心電図での改善は各グループでも少なかったという点からみても、 心血管、および心筋関連の損傷が、かならずしも短期的なセシウム蓄積量に連動しうるものではないことが想像できます。

そのあたりの切り分けは福島を見る上ではとても大事です。 ベラルーシは子ども50ベクレル大人75ベクレルの蓄積基準を設けたんですよ。実際的には彼らは被曝量が大きいですから、おそらくその必要があったと思います。 ですが福島の初期被曝はチェルノブイリよりかなり小さいし、今の所α線種による被害報告もあがってきていないんです。  セシウム蓄積量をどこにみつもるか?というのは、食品の生産制限と直に連動してくるので、熟慮が必要な部分だと思います。
というか、セシウム蓄積量で 制限掛ける気があるかどうかかから、、、その辺は自分は必要だと思ってるんですが、それを誤解の余地なく証明しうるものがないので、主張も今のとこしずらいです。