坪倉先生の熱弁

http://www.ustream.tv/recorded/23304292
第1回原子力被災者等との健康についてのコミュニケーションにかかる有識者懇談会
今朝つくったまとめ↓
http://togetter.com/li/321998
前半に神谷先生の発表があります。



参考資料 
第7回福島県県民健康調査まとめ
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/240612shiryou.pdf
坪倉先生の内部被曝通信
https://aspara.asahi.com/blog/hamadori/entry/QH7ekB6krF



まとめのための下書き

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第1回原子力被災者等との健康についてのコミュニケーションにかかる有識者懇談会
一部抜粋(坪倉先生:1時間44分経過より)

もともと血液が専門。放射線関係ではないです。
南相馬病院にいったのは、緊急時避難準備区域で、入院が規制されて、外来を手伝ったのが最初。
医者は4人しかない。7月頭からWBCが入る。230床の総合病院
原発に一番近い唯一の稼働していた大きな総合病院でした。

南相馬市総合病院は23K地点 人口は1万人まで減って4万人まで増えました。

100mS酈からリスクがと現場で言って、「うん」と言ってくれる人はほとんどいない。
意味は分かっても、最終的な意志決定はそこでは無理です。
一番は、「寄り添って、そこで対話を繰り返す」しかない。

相馬市、南相馬市では説明会を担当。(去年の5月半ばから)
現地で最初におじいちゃんたちに説明すると、放射線とか、まったくわからない。
「やあ、おれんちの回りで線量計持ってる人だれもいねえんだ、1mとか5mとか言われても全然わかんない、だからどうなんだ」

20ミリが安全とかテレビで議論があるけれど、LNTとかICRPとか神学論争みたいなもので現場では全然使えない。

南相馬市は海側と山側と真ん中で線量が全く違う。考え方も全然違う。 9分割されている。
例えば県民健康調査と言われても違和感がある。会津とかいらっとくるでは?
浜通りといっても、相馬と南相馬でも全然違う。個別対応が必要

「あなたは風邪です、風邪では死なないです。」と説明しても納得できない。
「ご家族さんは?収入はどうされてます?ご出身は?子どもは?部活は?」といったことを聞いて採血をみて、WBCの結果をみて、ぼくはこう思いますよ。と説明して、 それで安心するか?というとそういうわけではまったくない。
多くの人は安心したのではなくて、具体的の今後の生活でどうしたらいいかが
少し見えて、前進できそうだから、安心という言葉になっているだけ。
リスクの話をわかったから安心してるわけではない。

南相馬WBC3台目が入りました。(キャンベラ)
検出限界は2分のスキャンで 200〜300Bq/bodyぐらいです
今年の3月に南相馬の子どもさん100人測ったとして、セシウムの値を検出してしまうのは1人(0.8人)です。去年の9月には60人でした 。大人は今10人検出します。去年には70人でした。

この結果からわかることは、
1、セシウムは排出していくものである
2、子供は内部被曝が極端に抑えられている(追加の量がない)
3、100人に1人しか検出しないので、去年の3月の評価はもう出ない。
(急性期の評価ではなく、慢性期の評価に移行)
ヨウ素の検出は一回もできなかったので、厳しいです。

検出率は下がってきています。

WBCに関して
去年の7月から開始、医者は5人。誰もやったことがない、わからない、これを押せばわかりそうだ、とりあえずボタンおしてみる、結果がでる??数値がでる。じゃあセシウムは検出されてるんだと思った。

説明しないといけない。ご家族のみなさんに説明してみました。
例えば4000Bqなのでシーベルト換算すると0.1なので大丈夫ですといっても納得しない
今後、どういうふうに検査します、こういうふうにフォローしますとご説明して、初めてちょっと安心。

継続した対応が必要

一発かぎりの検査ではいけない。

丁寧な説明が必要。

しかし対応する制度がない。南相馬市は院長先生がやってくださる。他の地域は?ないです。人の調整は誰が?いないです。この病院でできると発表すると、、

去年の9月の段階で3月までの予約は1瞬で埋まった。

回らない。
入院も増える、手も回らない

書類通知に変えた→クレームの嵐

同じことが県民健康調査でも起きた、甲状腺のA2問題。
あなたの甲状腺にはA2が出ました、でも大丈夫です、という通知が来た。
意味不明で納得いかない。爆発的クレーム。
誰が説明してるんですか?コールセンターで?無理。
1対1の対話が必要。寄り添って話をしないとダメ。

番場さんという方がボランティアで対応してくださってる

説明会は20人が限界(20人超えると伝わらない)
20人以上になるとバックグランドがばらばら過ぎて無理。
物凄い手間がかかる。かみっぴらの説明では無理。

NDとなってる方が7割超えてて、南相馬の9割以上の方が1960年代の日本人の平均値より低い。
しかし大丈夫と思っていただけるか?といえば科学のデータだけでは納得頂けるとは到底思えない。

ロシアに比べれば2ケタ違う。値は低いのは確か。

値が下がっているという状況だけれどBq数値にすると下がらなくなってる人がすでにいる
(平衡状態になった)→放置はできない。
2000Bqという値は、確かに㏜換算では低いです。科学的にはそう。しかし納得は別。
継続的にみましょうとか、何を食べてるの?と細かくききながら対応して一人20分はかかります。
午後全部やって6,7人の対応が正直限界。それでも100%のご理解は無理。
しかしそういう方法しかない。


ウクライナ地産地消がはじまって数値が増えたのも知っている

一日当たり10Bq/dayぐらいのの方がぽろぽろといらっしゃいます。COOPの陰膳調査とほぼ一致。もっとも食べている人が10〜20Bq/day
ほとんどの人は増えていない。ので食べ物から摂ってる人はほぼいないです。

おかあさんたちの反応は?
「自分が食べていることが危険かどうかわからないんだから、そんな中途半端なことを言うな」と言われます。
もっともです。

南相馬市の市立病院で魚とか肉とか
産地を選んでいる人といない人で差がでるか?と調べてみると、ほとんど差がないです。
水も差がない。
ジャア大丈夫です、とお伝えはする。
しかし、今みなさんが必要とされる情報をタイムリーに出し続けないといけない。

南相馬から飯舘村へ避難→後悔しているお母さん方がたくさんいらっしゃる。
調べてみて差はないです、そうお伝えもします。しかし明確なことは言えないので、継続してみていきましょうという話になります。


上大田の21k地点で去年の7月にご説明したとき。
聞かれたのは「布団を外に干していいの?」「この干した食べ物は大丈夫か」「ここの地形のここに行ったときにこの線量は大丈夫か」
と具体的な質問ばかりです。そういう疑問に対応していかないといけない

避難した人には慢性疾患や、うつ病が増えてしまっている、そちらも一緒に対応していかないといけない。
一つ一つゆっくり話を聞いて、一つ一つ答えていくことに尽きる。


質疑応答:
頭で理解することと心で判断することは違う
慢性疾患の悪化は非常に大きな問題。肥満、高脂血症、高血圧 糖尿病、うつ病
印象として増加している。

神谷先生の質問:
まさしくリスクコミュニケーションを実践。
私達もそういうことをやりたい。地域にはいっていかなければできない。
そういう上で、ものすごく時間と手間がかかる。
そういうコミュニケーションを必要としている多くの住民がいる。
物理的にマンパワーとして対応するためにどのぐらの人が必要になってきますか?

坪倉先生の答え:
例えばWBCを申し上げると、一番ネックになるのが医者の説明
WBC自体が医療行為ではないので人件費が賄えない。病院がダメージ
一人一人と話をしていくことに最も時間が必要
100人/日、2200分かかる、専属で10人とか医者が必要。
しかも継続的に同じ人が対応できるほうがいい
理想的には現場で1年とか2年とかずっと来てくれて対応してくれると嬉しい。
自分も専門家ではない。他の人にやってといったとき、医者も専門外なので困る。
正直誰もいない。
県や国では説明されているとお聞きしていますが、
機械の校正とかは例えば東大の早野教授がいろんなとこを飛び回ってチェックしてOKを出してる。
彼がいなくなったら全てが潰れます。
僕個人としては、ごく何人かの人が全てを回ってなんとかしている状況。
ぜひ現地で長く仕事をしてくださる人がいればと感じます。

人数としては、20人とか30人とか1病院あたりに必要。

長瀧先生の質問:
先生自身は現在の放射線が健康に影響がある問題ではないとわかっているけれど、実際の対応ではどうされていますか?

坪倉先生の答え:
県民健康調査などを見ると、9割の方はコレステロールの悪化で再検査です。
セシウムも一つのカテゴリー。トータルで考えないといけないとお伝えしています。
しかし、それは1対1の対話だからできることでメディアで一斉にでことではないと正直思います。