花粉と吸入係数の話

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111227-00000053-mai-soci
来春の花粉シーズンを前に福島県など16都県でスギ花粉に含まれる放射性セシウムの濃度調査を行っている林野庁は27日、福島県内の調査地点のうち87カ所分のデータを中間報告として公表した。87カ所の最大値をもとに試算したところ、花粉の吸引で受ける放射線量は毎時0.000192マイクロシーベルト程度で、同庁は「花粉の吸引による被ばくを心配する必要はない」としている。

 同庁は、東京電力福島第1原発事故による森林汚染の問題化や、花粉が数百キロ飛ぶこともあることから「関心が高い」として調査した。

 福島など東日本約180カ所で、花粉を出すスギの雄花を採取し、うち福島県内の原発に近い地域を中心に中間報告をまとめた。

 87カ所のうち、最も雄花のセシウム濃度が高かったのは浪江町内のスギで1キロあたり25万3000ベクレルだった。ただ、スギ花粉は1個あたりが非常に軽く、データのある過去9年間で最大だった08年3月の飛散量(1立方メートルあたり花粉2200個)をもとに試算しても、1時間で受ける放射線量は成人で0.000192マイクロシーベルト程度との結果が出た。

 また、首都大学東京大学院の福士政広教授(放射線安全管理学)も11月に独自で調査を行い、東京都奥多摩町で採取したスギの雄花を分析したところ、1キロあたり93ベクレルだった。福士教授は「人体への影響を心配しなくていい数値だ。それでも気になる人は花粉用のマスクやゴーグルの着用で、セシウムが付着した花粉防止の効果が期待できる」としている。【曽田拓】

http://www.wa-dan.com/article/2011/11/post-199.php

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まず、1立方メートル当たり花粉2200個というのはどのぐらいの量かというと、、、
まず花粉一つの重さは1億分の1gぐらい。
したがって、一立方メートルあたりの花粉のg数は 1億分の2200g
キログラム換算で 1億分の2.2キログラム。

したがって濃度25万3000ベクレルの花粉の場合、1立方メートルあたりのベクレル数は
25万3000ベクレル/Kg×1億分の2.2Kg=0.005566ベクレル

人が一日に吸う空気の量は大体20K 0.5リットル×28,800回=14,400リットル
http://www.daikin.co.jp/naze/html/d_1.html
1立方メートルは1000リットルなので、14,4立方メートル分の空気を吸う。
一日の摂取ベクレルは、14.4×0.005566=0.08ベクレル
http://keisan.casio.jp/has10/SpecExec.cgi?path=01500000.%8A%C2%8B%AB%82%CC%8Cv%8EZ%2F08000000.%95%FA%8E%CB%94%5C%2F10030520.%95%FA%8E%CB%94%5C%82%CC%93%E0%95%94%94%ED%94%98%90%FC%97%CA%81i%8Bz%93%FC%81j%2Fdefault.xml

吸入時の換算係数を使って、、、

http://keisan.casio.jp/has10/SpecExec.cgi
30日で0.09μシーベルト。(大人)






各種係数

組織荷重係数
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/s_kajyu.html
放射線荷重係数
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/h_kajyu.html
実効線量係数
http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Yougo/j_senkeisu.html
セシウム
http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/13.html
ストロンチウム
http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/8.html
緊急時
http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html


過去の数値
http://www.mri-jma.go.jp/Dep/ge/2003Artifi_Radio_report/coverJP.htm

スギ花粉(雄花)と放射線量の関係グラフ
http://twitpic.com/83ei99

吸入時の粒子径の影響
「様々なサイズのナノ粒子のin vivo 肺毒性比較試験」p87より
http://www.aist-riss.jp/projects/nedo-nanorisk/nanorisk_symposium2008/pdf/abstractbook_ja.pdf#page=73



核分裂初期の大きさ(核分裂生成物ーまず二つに割れる)
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/6734/kisogenri/seiseibutu.html

化合 各種エアロゾルの粒径(エアロゾル粒子を球形とみなしたときの直径)範囲
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-04-03-21
各種エアロゾルの粒径(エアロゾル粒子を球形とみなしたときの直径)範囲
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040321/04.gif


http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-04-04-12
吸入摂取に関わる線量係数の算出に当たって、ICRPは職業人の場合も公衆の場合も「人呼吸気道モデル」を用いているが、そこでは吸入されたエアロゾルの呼吸気道における沈着の部位と量はそのエアロゾルの大きさ(粒径)に依存する。職業環境での放射性物質の粒径に関する、これまでの調査から、職業人の線量係数算定に当たっては空気動力学中央径AMADで表して5μmを用いている。これに対し公衆の構成員の線量係数算定の場合には1μmを仮定している。なお、Publ.68では参照のためとして1μmのエアロゾルに関わる線量係数も計算し表示している。
 吸入されたエアロゾルの呼吸気道における沈着の場所と量は呼吸様式にも依存する。職業被ばくでは作業者は軽作業を行っていると仮定する。1日8時間の軽作業の中では、2時間半を座った状態で過ごし、この間は1分間に12回の呼吸率で1時間に0.54m3の空気を呼吸する。残りの5.5時間は軽い運動をしている状態で、この間は1分間に20回の呼吸率で1時間に1.5m3の空気を呼吸するとしている。沈着を考えるに当たっては、両者を吸入空気量で荷重した平均を用いている。これに対し、公衆の構成員の場合には、1日を睡眠、座った状態、軽い運動をしている状態、激しい運動をしている状態に分け、それぞれで過ごす標準的な時間から導いた1日に呼吸する空気量(22.21m3)等を用いている。同じ成人ではあるが、職業被ばくと公衆被ばくでは仮定するエアロゾルの粒径が異なり、呼吸の生理も異なり、これらのことが異なった線量係数が与えられていることに繋がっている。

吸入エアロゾルの人体モデル
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040321/05.gif

吸入時の 急速、中庸、低速吸収による係数
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09040412/01.gif

http://www.posiva.fi/files/225/WR2006-56web.pdf


ツイッターでの会話(吸入係数について)
http://togetter.com/li/237513