http://t.co/2HlI74qC について、、
leaf_parsley 2012/03/10 06:30:01
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甲状腺被曝、最高87ミリシーベルト 50ミリ超も5人
 東京電力福島第一原発事故で、放射性ヨウ素によって甲状腺に90ミリシーベルト近い被曝(ひばく)をしていた人がいることが分かった。弘前大学被ばく医療総合研究所の床次眞司(とこなみ・しんじ)教授らが、事故の約1カ月後に行った住民65人の測定結果を分析した。被曝した人の約半数が10ミリシーベルト以下だったが、5人が50ミリシーベルトを超えていた。
 甲状腺被曝はがんのリスクがあるが、ヨウ素半減期が短く、事故直後の混乱などで、きちんとした計測はされておらず、詳しい実態は分かっていなかった。
 床次さんらは昨年4月11〜16日、原発のある福島県浜通り地区から福島市に避難してきた48人と、原発から30キロ圏周辺の浪江町津島地区に残っていた住民17人を対象に、甲状腺内の放射性ヨウ素の濃度を調べた。この結果、8割近い50人からヨウ素が検出された。
 この実測値から、甲状腺内部被曝線量を計算した。事故直後の3月12日にヨウ素を吸い込み、被曝したという条件で計算すると、34人は20ミリシーベルト以下で、5人が、健康影響の予防策をとる国際的な目安の50ミリシーベルトを超えていた。
 最高は87ミリシーベルトで、事故後、浪江町に残っていた成人だった。2番目に高かったのは77ミリシーベルトの成人で、福島市への避難前に同町津島地区に2週間以上滞在していた。子どもの最高は47ミリシーベルト。詳しい行動は不明だ。
 国が昨年3月下旬、いわき市、川俣町、飯舘村の子ども1080人に行った測定では、35ミリシーベルトが最高値と公表されていた。


チェルノブイリの事故のよる小児甲状腺癌の増加については、線量と癌死(あるいは癌化)リスクとの関連が十分に定量化ができていない状態です。
したがって、現状のわたしたちが比較可能なことは、チェルノブイリでの推定被曝量と、今回の被曝量がどのぐらい違うか?というあたりができるような気がします。

チェルノブイリの初期被曝による甲状腺等価線量は、ベラルーシで 0.37 から0.034 Gyとみなされています。最高値はベラルーシで10.2Gy ロシアで5.2Gyです。 セシウムからの被曝量は0.05Gyを超えることはなかったと報告されています。
そして、ベラルーシの避難民だけを対象にとると、甲状腺被曝線量の平均値は1.3Svです。したがって、この1.3Svを尺度にすると、単純計算でベラルーシの避難民の6%の被曝量にしかならないんです。はるかに安心な値です。
慢性的な被曝が続いている状況で、初期のヨウ素131による被曝の影響だけを見るのは無理なはなしで、チェルノブイリでの被害も、複合的な影響を考えざるをえないところがあります。
追い打ちを食らって悪化、という印象が大きいんです。 (印象を語ってもどうしょうもないんですが、イメージとして、)例えば、経口摂取による内部被曝の増加とか、ストロンチウムの伏兵威力とか、、、もちろんそれだけではなくて経済状況の悪化による栄養状態とか非常に大きかったと思いますし。
なのでまあ、未来はわかんないですが、スタート地点で 6%の被曝で収まっているという状態は、かなり楽観材料じゃないかと。

自分のフォロワーさんたちは、この記事で「大変だー」とか騒ぐ人がまったくいないんで、言わずもがなという気がものすごくします。。orz

あ、ついでにこの6%の被曝量というのは、南相馬セシウム被曝の推定からもオーダー的な同期が結構とれてまして、南相馬セシウム被曝は1mSvを超えない、という発表でした。チェルノブイリの初期のセシウム被曝は50m㏜を超えないという発表なので、こちらは2%。オーダー的にこのへんです


実効線量と等価線量とは?

実効線量ってなあ、防御のラインをひくための標準モデルなんです。例えば集団線量を防御ラインにもってくるとすると、その集団をどうやって集めたか?が問題になります
どういう被曝をした集団を集団線量の対象にするかで数値が大きく変わるにもかかわらず、そもそも「どういう被曝をした」という評価そのものを測る数値を決定する話をしているわけで、自己撞着状態に陥ってしまうわけです
そのため、一個の標準的な人間を仮定し、その人間が全身被曝を受けたときに、どういうリスクとなるか?を数値化したものが実効線量になります。
これに対して、等価線量は、実際の被曝エネルギーを臓器1キロあたりの数値にして出したものです。(実効線量を出すための材料でもあるし、臓器ごとのダメージをみる指標にもなります)
実効線量の組織荷重係数をみていると分かるのは、臓器ごとにあたるエネルギー量と、健康被害は、単純な関係ではないという事です。そこにはもっと複雑な色々が加味されていて、比例関係では語れません。
なぜ実効線量上(全身均等被曝モデル)で甲状腺に寄与率が3.3%にとどまるかといえば、甲状腺癌の致死率がとても低いせいなんじゃないかと自分は思います。(全身被曝すればもっとしんどい被害の臓器はたくさんあるので)
一方で、甲状腺単独にみれば、等価線量に上がってきた数値は、ストレートにそれだけのエネルギーをうけているという意味です。しかし、その等価線量数値と健康被害の関係の定量的な検討は、さっきもツイートしたようにまだ途中です。

リスク評価的には上げてあります。(致死率が非常に低いにもかかわらず) 

UNSCEAR2006から甲状腺の項目 サマリー

UNSCEAR2006報告の甲状腺部分のサマリーの要約ツイートしときます(PDF)http://t.co/wK9ThJ6W P108 セクションU甲状腺パラグラフ467

甲状腺は、小児期における放射線外部被曝の発癌影響に対する感受性が高いです。 被曝時の年齢はリスクの重要な因子で、被曝時の年齢の増加に伴ってリスクが減少していく傾向が多くの研究で観察されています。
甲状腺癌は女性で頻繁に自然発生しますが、放射線リスクを決定する際のの性の役割は明らかではありません。BEIR?委員会は甲状腺癌の生涯リスクを男性で0.32%Gy-1,女性で1.6%Gy-1 と推定しています。
小児期に被曝した人では、リスクの上昇が生涯を通して続くけれども、いくつかのデータではERRが被曝後約20年で減少し始めることを示唆しています。
 ヨウ素131の線量からの発癌影響はあまり十分に理解されていません。医療被曝についてのほとんどの疫学ケンキュは、広い範囲の線量に被曝した後のリスクをほとんど示してこなかったのです。しかも、これらの研究の大半は成人の被曝についてでした。
アメリカのハンフォード核施設近隣に小児の時住んでいた人々の追跡調査研究は、ヨウ素131の線量と甲状腺癌リスクの関連の証拠を提示していません。対照的にチェルノブイリ事故の結果として被曝した人々の研究からの結果は。幼少時の放射性ヨウ素への被曝が
甲状腺癌の発症のリスクと有意に結び付くことをはっきりと示しています。 このリスクは食事中の安定ヨウ素の量によって加減されているように思われます(私見チェルノブイリは食事にヨウ素が少なかったので被害が大きくなったという意味)
低LET放射線外部ひばくに関するデータと同様、チェルノブイリ事故の研究からのデータは、被曝時年齢の増加に伴ってリスクが減少することを示唆しています。性の違いの影響はすべての研究において一致した結果がでているわけではありません。
過去数年において、ヨウ素131の被曝についての情報は追加されてきています、しかしながら、ヨウ素131の被曝による甲状腺癌リスクは、まだ十分には定量化されていません。(終わり


甲状腺等価線量と実効線量とを比べる?


今回、甲状腺等価線量で100mSv近い被曝ということですが、どうしても外部被曝100mSvと比べてしまう方が多いと思うんですよね。

単純に言ってしまうと、実効線量で100ミリシーベルトってなあ、甲状腺も100、心臓も100、骨髄も100、骨も100、脳も100、生殖腺も100etcの状況なんですよ。 これと甲状腺だけ100ミリシーベルトを比べるってなそもそも無理

あえて、甲状腺等価線量で、甲状腺被害を予想するためには、甲状腺等価線量の線量分布で表示された甲状腺への被害をみないといけないです

カーディス先生の症例研究より(PDF)http://t.co/3w2v2Avz 患者数276、地域のコントロール群数1300 http://t.co/M65qQ3vB
ものすごい荒い説明をすると、、カーディス先生の症例研究ではhttp://t.co/M65qQ3vB 線量分布がこういう感じになります。 で乱暴に線量の大きいと発症と仮定すると、このグラフの上位276人が発症ということになります。
 普通はそんな乱暴な関係はなくて上下にぶれができますから、それを加味してメインの発症ラインは500mSvあたりなんじゃないかな。
だからまあ、被曝量が6%で収まってるってのあ、このグラフでいうとグラフの左のほうに固まってるってことなんです。スゲー安心です。 (で、この関連がなぜまだ検討途中かてのあ、患者がまだ20才そこそこだからです。)



グラフ上位276人という例はあまりにも乱暴な推論なので、却下します、すいません。
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