福岡市文学賞 5人輝く  3月1日表彰式

【2008年1月26日 読売新聞】
 福岡市は25日、文学活動で優れた功績を挙げた人を表彰する今年度の市文学賞の受賞者を発表した。小説や詩など5部門各1人。表彰式は3月1日、中央区天神の市文学館で行われる。(緒方慎二郎)
同賞は毎年、福岡市と近郊で文化活動を続けている作家を対象に選んでおり、今年度で38回目。 小説部門の受賞者は那珂川町の会社会長、鈴木比嵯子さん(70)(本名・田村明美さん)。受賞作の短編小説「ピクニック」では、家族や友人など身近な人間関係をミステリアスな手法で描いた。「長い間、コツコツと書いてきたことが認められた」と喜んだ。 詩部門は宗像市三倉の柿添元さん(90)で、受賞作は「生きねばならぬ」。左半身マヒの生活を送りながらも詩を書き続けているという。長女の渡辺素子さん(52)は「寝た切りの生活だが、詩を書く情熱は衰えず、受賞できて良かった」と話した。 短歌部門は福岡市東区の福間妙子さん(84)。2冊目の歌集「うめ・もも・さくら」での受賞で、「生老病死の一巻」と評された。「こんな大きな賞をもらえるとは夢にも思わなかった」と驚いた。 俳句部門は同市南区の池松幾生さん(70)。受賞作の句集「月影」は新聞などで高く評価された。「俳句ざんまいで毎日が楽しくて仕方ない。これからも続けたい」と語った。 川柳部門は粕屋町の長崎栄市さん(69)。句集「空蝉(うつせみ)」などの作品を評価された。「この賞に恥じないよう今後も頑張りたい」と話した。
 5人の受賞作は記念作品集としてまとめられ、3月から福岡市の主要書店などで200部が販売される。1部2000円。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20080125-OYT8T00704.htm