第138回・芥川賞は川上未映子さん…大阪出身の歌手

スポニチアネックス】 1月17日◆ CDリリース、詩やエッセーも ◆
 第138回芥川、直木賞日本文学振興会主催)の選考会が16日、都内で開かれ、芥川賞川上未映子さん(31)の「乳(ちち)と卵(らん)」(文学界12月号)に決まった。賞金は100万円。贈呈式は都内で2月22日に開かれる。
 川上さんは自称“文筆歌手”。CDをリリースし、詩やエッセーも手掛ける。昨春初めて小説を書き、姉と妹、姉の娘の3人の姿を通して心と体の関係や「私」とは何かを冗舌な文体で語った受賞作は2作目。独特の文体について「大阪弁の魅力をまだまだ出せていない。『すまない、大阪弁』という感じです」といって笑わせた。
 貧しい家庭に育ち、弟の学費を稼ぐためにホステスもした。バンドで歌っていたところに声が掛かって2002年に歌手デビュー。「壊滅的に」売れなかったがブログが評判になり物書きの世界へ。今は小説に重心を置いているが「やっぱり音楽も好き」だという。歌手活動は「体に必要なことなので(作家活動と)バランス良くやっていけたらいいな」と話した。
 直木賞桜庭一樹さん(36)の「私の男」(文芸春秋)が受賞した。
[ 2008年1月17日付 紙面記事 ]
http://www.sponichi.co.jp/osaka/soci/200801/17/soci206488.html