ギレルモ・デル・トロ監督が、ラブクラフト神話に挑戦!

10月9日
[eiga.com 映画ニュース] 米アカデミー撮影・美術・メイクアップ賞の3冠に輝いた「パンズ・ラビリンス」(現在公開中)でメキシコ映画界の実力を見せつけた鬼才、ギレルモ・デル・トロ監督が、ダークヒーロー映画「ヘルボーイ2」(原作ダークホースコミック)に続いてメガホンを取る新作が、詩人・作家のハワード・フィリップス・ラブクラフトが31年に発表した暗黒小説「狂気の山脈にて(At the Mouth of Madness)」(創元推理文庫刊「ラヴクラフト全集4」所収)の映画化企画になりそうだ。

ラブクラフトは“宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)”と呼ばれるSF的ホラー小説で有名だが、本作は、未知の大山脈が連なる南極大陸を舞台に、著者独自の科学志向を結実させた傑作小説。また彼の死後に後世の作家たちによって引き継がれたラブクラフト的神話体系は“クトゥルー神話”と呼ばれるが、デル・トロ監督はこの神話体系の大ファンなのだ。「ヘルボーイ」の原作コミックには同神話体系的要素があふれているし、牧神パンが登場する「パンズ・ラビリンス」は同神話体系の代表作であるアーサー・マッケン著「パンの大神(The Great God Pan)」を連想させる。

「狂気の山脈にて」は、かねてからデル・トロが映画化を切望していたラブクラフトの代表作。製作には大手ユニバーサル・ピクチャーズが当たるとの噂もある。同監督の念願が叶うとしたら、「パンズ・ラビリンス」がオスカーをはじめ、世界の映画賞を制覇したおかげだろう。

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