薄田泣菫生誕130年 広がる顕彰再評価の動き

山陽新聞】(2007年5月5日掲載)
 倉敷市連島地区出身で、明治後期の詩壇を担った薄田泣菫(すすきだきゅうきん)(1877―1945年)の生誕から19日で130年を迎える。地元では顕彰会や小学校での学習活動などを通じ、後世に業績を伝える取り組みが進む。節目の年に新たな評伝が出版され、生誕日には倉敷市で記念の朗読会が開かれるなど再評価の動きがある一方、専門の研究者不足といった課題も抱える。
 「ああ大和(やまと)にしあらましかば…」
 教室に、泣菫の詩を情感たっぷりに朗読する子どもたちの声が響く。「泣菫教育」。母校・連島東小(同市連島町連島)が総合学習の時間などを活用して進める活動だ。
 児童は寸劇や映像を組み合わせて泣菫の生涯を発表したり、地元に残る生家や業績を紹介するホームページを作成。低学年向けに教員が作品を紙芝居にして教えるなど教材に積極的に取り入れている。
 古典調で一読しただけでは大人でも分かりにくい泣菫詩だが、高橋清志校長は「声に出して読むことで子どもらはそれぞれに独特の言葉の響きや美しさ、詩のイメージをつかみ、情操教育にも役立っている」と話す。
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2007/05/05/2007050511093243009.html