南日本文学賞決まる 小説に田ノ上さん、詩は三角さん

南日本新聞】(03/18 07:49)
 2006年度南日本文学賞南日本新聞社主催)の公開選考会が17日、鹿児島市南日本新聞会館みなみホールであり、小説・文芸評論部門に鹿児島市の主婦、田ノ上淑子さん(60)の小説「隣人の影」が、詩部門に東京都豊島区(鹿児島市出身)の主婦、三角みづ紀さん(25)の詩集「カナシヤル」が決まった。選考過程の白熱の議論を、約120人が見守った。
 本年度は小説・文芸評論と詩の2部門に分けて選考。小説42編と評論3編、詩36編の応募から絞られた小説3編、詩3編について論議した。指宿市出身の作家・宮内勝典芥川賞作家・大城立裕、高見順賞詩人・佐々木幹郎の3氏が、来場者の前で候補作1編ずつについて厳正な論評と文学論を述べた。
 小説については委員らから「3作どれにも良い点があり、また欠点もある。甲乙つけがたい」との意見もあったが、「認知症の女性と若い妊婦との関係の描き方に説得力がある」と推された田ノ上さんの作品を選んだ。
 詩については「非常に高いレベルで、生と死を見つめた緊張感のある詩編」と委員が一致して推した三角さんの作品が決まった。 
会場で選考過程を見守った田ノ上さんは「選んでもらって胸がいっぱい。考えてもいなかった指摘を先生方にしてもらい、勉強になった」と語った。三角さんは「第一詩集から大きく飛躍していると評価され、うれしい」と受賞を喜んだ。
贈賞式は30日午後2時から、鹿児島市の同会館である
ttp://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=3389