被爆者のいつわらぬ気持です」 福田須磨子展始まる

長崎新聞】2008年3月4日
 長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで四日、長崎で被爆した詩人、故福田須磨子さん(一九二二−七四年)の草稿などを紹介する「詩人・福田須磨子“愛と闘いの人生”展」が始まった。二十三日まで。
 福田さんは、爆心地から一・八キロの長崎師範学校被爆。病に苦しみながら詩作を通し、原爆への怒りを表現した。
 福田さんの姉、豊後レイコさん(88)=大阪在住=が県立長崎図書館に贈った六十六点のうち二十点と、長崎原爆被災者協議会などが寄せた三十点の計五十点。代表作で田村俊子賞を受賞した生活記録「われなお生きてあり」の草稿や、被爆死した両親らと撮った写真、生計のため作ったぎんなん人形などが並ぶ。
 平和祈念像建立(一九五五年)の直後に発表された詩「ひとりごと」の草稿とみられる文章も展示。「何も彼も嫌になりました 原子野に屹立する平和像 それはいい それはいいけど そのお金で何とかならなかったのだろうか さもしいと言って下さいますな これが被爆者のいつわらぬ気持です」と直接的に生活苦を表現している。
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji2/2008030403.shtml