中也記念館、「友情」テーマに展示替え−中也の友人関係を紹介

【山口経済新聞】2008年 3月5日
今回の常設テーマ展示では、糸で結ばれているイメージで展示空間をデザイン
 中原中也記念館(山口市湯田温泉1、TEL 083-932-6430)で2月21日より、詩人・中原中也と友人との関わりを紹介する常設テーマ展示「友情−君と僕との命はかゞり」が始まった。1年ごとに決まったテーマを設け、その中で中也の世界をより深く追求していく展示方法を採用している同館の展示替えは、今回で5回目。

 同展は、中也が友人とどのようにして関わったか、どのようなつながりがあったのか、友情に関する詩にどのようなものがあるのかを、原稿のレプリカ、書籍、雑誌、書簡など37点の展示品やパネル展示で紹介するもの。

 展示は2部構成で、1部では「友人、中原中也」と題し、中也がどのように友人と付き合い、友情をはぐくんだかを紹介。2部では「さまざまな友情のかたち」と題し、小林秀雄、高森文夫、安原喜弘、大岡昇平の4人の友人に焦点を当て、中也との関係を紹介している。

 同展のテーマを象徴する詩として展示されている1935年制作の「曇つた秋」には、「今宵私の命はかゞり 君と僕の命はかゞり、 僕らの命も煙草のやうに どんどん燃えてゆくとしきや思へない」というフレーズがあり、中也は友人に対してかがり火のように燃えているという感覚を持っていたことがうかがい知れる。

 同館の那須香さんは「中也の時代の友情は悪いところをさらけ出したうえで、付き合ったり、離れたりしている。展示を見る人の状況と比べて、友情というものを見直してもらえれば」と話している。

入場料は、一般=310円、大学生=210円、小・中・高生=150円。開館時間は5月〜10月=9時〜18時、11月〜4月=9時〜17時。月曜、毎月最終火曜休館。来年2月15日まで(7月30日〜9月28日は除く)。
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