諧謔 富んだ文芸誌創刊 川柳作家ら36人

神戸新聞
 川柳を中心に、多彩な執筆陣が詩や小説、随筆などを寄せる総合文芸誌「文藝みみやなぎ」が創刊された。“諧謔(かいぎゃく)”に富んだ言葉がジャンルを超えて奔放につづられる意欲的な内容が特徴。発行元の「ミミクリエイション」代表で川柳作家、舞踏家の情野千里さん(59)=姫路市今宿=は「これまでの文芸誌が見逃していた美のつぼ、笑いのつぼを伝えていきたい」と意気込んでいる。(神谷千晶)

 情野さんは一九八〇年から神戸新聞文化センターの川柳教室で故・時実新子さんに師事。八七年、身体表現や音楽を取り入れた独自の「川柳パフォーマンス」に取り組み始めた。九三年には、ユニット「川柳舎・みみひめきっちん」を結成、海外や全国各地で公演を重ねてきた。

 「文藝みみやなぎ」の創刊は、亡くなる一年前の時実さんの言葉がきっかけだった。「あなたも姫路で自分自身の何かを作りなさい」。二〇〇七年、時実さんの死去による個人誌「川柳大学」の廃刊もあり、新たな文芸誌の発刊を決めた。

 創刊号は、播磨地域を中心に大阪府や愛知、長野県など全国から川柳作家や詩人、学芸員、シンガーソングライターら三十六人が執筆。それぞれが同誌のテーマでもある「諧謔」を語るコーナーでは、雑誌の性格を表すかのように、一家言ある文章が寄せられている。

 情野さんの師で舞踏家、演出家の桂勘さんの「舞踏譜考」、情野さんが川柳の友でもある実母を描いた「テルコガーデン」、川柳や詩、連載小説や随筆などを収録する。

 情野さんは「言葉を大切に、冒険や遊びの多い文芸誌に育てていきたい」と話している。

 年二回発行。千円。ミミクリエイションTEL079・294・2392

(2/21 10:17)
http://www.kobe-np.co.jp/news/seiban/0000845238.shtml