尹東柱詩碑を公開 「新しい道」刻字して完成へ 2008-01-16

【民団新聞】1月16日
 【奈良】第2次大戦中、「治安維持法違反」の容疑で逮捕され、福岡刑務所で獄死した韓国の詩人・尹東柱を顕彰する「記憶と和解の碑」がこのほど、宇治市内で関係者に公開された。石碑は韓国慶尚北道榮豊郡の榮州石と佐賀県産の美島石を使った。2つの板石が左右から約60㌢の円柱を抱え掲げている。各板石はいまなお尹の作品を愛してやまない両国の市民を表し、円柱は尹自身を象徴しているという。
 本体の高さは180㌢とほぼ大人の背丈ほど。「詩人尹東柱 記憶と和解の碑」と刻まれた台座の高さは35㌢。尹の直筆を模したハングルと日本語で作品「新しい道」を刻字して完成する。彫刻を担当したのは田村隆さん、文字などは貴志カスケさんがプロデュースし、京都大学人文科学研究所教授の水野直樹さんが監修した。
 建立委員会では、碑が完成すれば生前の尹の消息を伝える最期の地となった宇治市内天ヶ瀬つり橋付近に建立し、「人権教育」「人権啓発」に資する「史跡」として活用されるよう望む。市側は宇治川周辺で適地を探すことを約束している。実現すれば同志社大学京都造形芸術大学キャンパス内に続いて3番目の詩碑となる。
 問い合わせは事務局長の紺谷延子さん(℡・FAX0774・24・7094)。
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