詩人永瀬さんの赤磐の生家 保存会が井戸修復に着手

山陽新聞】2008年1月20日掲載
来月の朗読会までに完成
 赤磐市熊山地区出身で日本を代表する詩人・永瀬清子さん(1906―95年)の生家保存会(井奥行彦会長)は19日、同市松木の母屋東側にある井戸の建屋の修復に着手した。苦心して集めた募金で手掛ける改修事業の第一弾。2月17日の永瀬さんをしのぶ朗読会までにほぼ完成させる予定。 井戸は、永瀬さんが炊事のため水をくんだと自作の詩に記している。江戸時代後期の建築とされ、建屋は縦横、高さとも約3メートル。 この日、委託業者が老朽化した屋根瓦やスギの焼き板をいったん解体した。古びた素材のみを交換して組み立て直す予定で、骨格の一部に補強を加える。修復後は永瀬さんの詩や功績を記したパネルを新たに展示し、生前使っていた鍬(くわ)を建屋の壁に掲げる。改修費は約160万円。 同保存会は2005年5月に発足。永瀬さんゆかりの人々や詩愛好家ら約40人が募金活動に乗り出し、これまでに企業の助成金20万円を含む約180万円を集めた。 永瀬さんの詩作の舞台となった木造2階の母屋は明治初期の建築で、現在は空き家。屋根や外壁などの傷みは激しいが、全面修復には約5000万円が必要とされる。 同保存会の小林一郎事務局長(64)=岡山市瀬戸町二日市=は「永瀬さんの偉大な功績を後世に残すためにも生家復元は絶対に必要。井戸修復を運動の輪を広げる弾みにしたい」と話している。
【詳しくは山陽新聞紙面をご覧ください。】
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