ポエト

2分の1に分割された魂
15億9千4百3分の1に砕かれた欠片を
3億の嘴がひとつひとつ祈りをこめて
立ち昇る紫煙は清々しいあるいは
鼻の曲がるような香りを
路上に放置されている犬の轢死
這いだした蟻はかつてあった唄を大声で
少年は
自分の魂の半分がそこにあったことに気づき
流れる赤い涙
その空白を握りしめた一瞬


               の風/