書評【エッセー「腹黒志願」渡邊十絲子 ポプラ社】

ゲンダイネット ホットインタビュー】2007年11月10日 掲載
現代詩人の“生態”をつづって話題 渡邊十絲子さんに聞く
「私、詩人です、と自己紹介するだけで、絶滅危惧種扱いされかねません」   現代詩人の渡邊十絲子が自らを語ったエッセー「腹黒志願」(ポプラ社 1600円)がめっぽう面白い。 その豪胆な人生のやりくりぶり、現代詩を生きた化石扱いする無知蒙昧(もうまい)な輩に対する辛辣な言葉が、実に爽快だ。――タイトルは「腹黒志願」。実際は、それほど腹黒くなりたいと願っているとは思えない。むしろ“売れない”が前提の、詩人として生きるがゆえに自然とある種の腹黒さを身につけている印象だ。 しかも男性読者にとっては、相当いい女で、人妻であることが残念、と思わせかねないエッセー集だ。「そう受け取っていただければ私もうれしい(笑い)。何しろ今の日本では、まず生きている詩人がいることを知らない方が圧倒的に多いですから。それまで何度も自己紹介に挫折したことがありましたから、まず勤めていないことや、どう日常生活をやりくりしているか、この際、自分が何者であるかを、これでもかというほど知っていただこうと書き進めました」
ーーーーーーーーーー以下サイト参照
http://gendai.net/?m=view&g=book&c=R00&no=4118