村上春樹氏、ノーベル文学賞獲得なるか?

【AFP BB NEWS】10月8日
今年のノーベル文学賞は11日に発表される。文学賞は誰が受賞するのかをめぐり憶測が高まっている。ほとんど無名の予想外の候補者か、それとも長年有望視されてきた人物か、昨年のようにブックメーカー(賭け屋)の予測通りの結果が出るのか。その答えは間もなく明らかになる。
 スウェーデンの文壇では、依然として様々な憶測が飛び交っている。これまで何度も候補として名前が取りざたされている村上春樹(Haruki Murakami)氏の著作、『海辺のカフカ(Kafka on the Shore)』は、スウェーデン最大手の書店チェーンAkademibokhandelnの窓際の、ひときわ目立つ場所に陳列されている。
 しかし、地元のイエーテボリブックフェア(Gothenburg Book Fair)主催者の1人Gunilla Sandin氏は「今年のノーベル文学賞は村上氏より知名度が低い、例えばフランスの詩人、マリーズ・コンデ(Maryse Conde)氏、エストニアの作家で詩人のヤーン・カプリンスキ(Jaan Kaplinski)氏などが受賞する可能性が高い」と語る。
 ブックメーカーの英ラドブロークス(Ladbrokes)は昨年、トルコの作家、オルハン・パムクOrhan Pamuk)氏を1番人気として、予想を的中させたことから信頼度を急上昇させた。今年は、イタリアの作家、クラウディオ・マグリス(Claudio Magris)氏を5倍の1番人気に挙げ、次いでオーストラリアの詩人レズ・マリー(Les Murray)氏と、頻繁に受賞がささやかれる米国の作家、フィリップ・ロス(Philip Roth)氏を2番人気と予想した。
 ロス氏は、スウェーデン・アカデミー(Swedish Academy)が選考する候補者5人の名簿に毎年名前を連ねる常連作家のひとり。候補者は選考委員会が何度か協議を重ねたのちに5人に絞られ、名簿は通常8月から10月に行われるアカデミーの本協議の場に提出されるが、名簿は厳重に守られ秘密とされる。
 ある編集者は匿名を条件に、スウェーデン・アカデミーは既に選考を終えたと語った。今年は早い時期に選考を終わらせており、これはかなり有名な人物が受賞することを示唆しているという。「予想外の人物ではないと思う」と、この編集者は述べた。(c)AFP/Francis Kohn

http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2295058/2222841