ハリウッドボウルで恒例の早朝復活祭

【イットイーニュース】4月15日
映画産業のメッカ、ハリウッドで恒例の復活祭が行われた。
 早朝五時半から七時まで小高い山に囲まれた自然のすり鉢状の地形を生かした野外劇場、
ハリウッドボウルで行われるイースターサンライズ・サービス(写真)は、一九二一年
にスタート。特定の教派によらない民間ボランティア組織が続けている復活礼拝としては
史上最長、今年で八十六回目を数える。
 もともとは民間のコーラスグループが一九年に、イエスの復活を祝う催しとして近くの
丘陵地帯で開いたのが始まり。翌年には数千人の人が参加し、翌々年からは一万人以上を
収容できるハリウッドボウルで開かれるようになった。
 ハリウッドの伝統的行事となったわけだが、開催当初からずっと続けられている伝統も
生まれている。その一つは、イエスの復活をたたえる「主が来られる」という詩をハリウッ
ドの俳優など著名人が朗読するもの。
 そして、圧巻なのがステージ中央の大きな十字架の形をした席に多数の子供が座り、
「主は今日よみがえられた」という賛美歌を合唱するもの。最初は全員黒のローブをまとい、
日の出がステージを照らす時間に合わせて全員一斉に白のローブに変身するのだが、この
伝統的早業は、毎年サービスに参加する人々に変わらぬ感銘を与え続けている。
 さらに、この行事は単独の教派が催すのではなく、超教派的行事として組織されているこ
とだ。毎年、いろいろな教会の聖歌隊やグループが参加し、ステージで厳かな伝統的賛美歌
の合唱を披露するものもあれば、黒人教会のようにパンチの効いたゴスペルソングを披露す
るグループも。
 ハリウッドという商業主義に走りやすい地にあっても当初から、イエスの復活を祝うとい
う伝統を商業主義によって汚さないという合意が守り続けられている、というのも素晴らしい。
文と写真・宮城武文
ttp://www.worldtimes.co.jp/col/every/ev070415.html