岸本さん(日南)最高賞 山頭火全国自由律俳句大会

日本海新聞】ローカルニュース 2007/12/27

 鳥取県日南町茶屋の岸本寿山人(本名・久寿)さん(87)が、第二十八回山頭火全国自由律俳句大会(山頭火ふるさと会主催)でグランプリの山頭火賞に選ばれた。受賞句は「月から生まれて私になった影が歩く」−。美しい月夜の晩に散歩していて、浮かんだ言葉を句にした。岸本さんは「最高の賞をいただいて大変光栄」と喜び、創作意欲をさらに高めている。
 大会は、自由律俳人種田山頭火の業績を顕彰して、生誕地の山口県防府市で一九八〇年から開催されている。今回は一般の部に三十四都道府県から七百三十九句の応募があった。
 自由律俳句は、五七五や季語などの制約にこだわらず、心にひらめいたことや見て感じたことを自由に表す詩。岸本さんは三十年ほど前から自由律俳句を始め、自由律俳句誌「層雲」に毎月欠かさず投句している。七十七歳の時に、句集「雪の風紋」を出版した。
 大会への参加は昨年に続いて二回目。ある晩に、「いい月が出ている」とあちこち眺めながら歩いていると、心がふっと月に引き込まれ、はっと気付くと自分の影がそこにあった。その夜の気分を句に表した。
 岸本さんは「受賞を契機にもっと勉強して来年も参加したい。そして、句集をもう一冊出したい」と、心豊かに今日も作句を友にしている。
http://www.nnn.co.jp/news/071227/20071227009.html