現存被曝状況について考えていたこと。。

3月21日のICRPからの通達
http://www.u-tokyo-rad.jp/data/fukujap.pdf

放射線防護の線量基準の考え方 第22回会議の資料 4月10日  (イメージ図)
http://www.nsc.go.jp/info/20110411_2.pdf

緊急時準備区域と計画的避難区域の指定 4月10日
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan022/siryo_ex.pdf

4月27日首相官邸HP
放射線から人を守る国際基準
〜国際放射線防護委員会(ICRP)の防護体系〜
http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g5.html

5月1日段階の本間先生の見解(江川さんのブログ)
『適切でない』と申し上げた」〜”子どもにも20mSv/年”問題と放射線防護学の基礎
http://www.egawashoko.com/c006/000330.html

5月19日に「放射線防御の助言に関する基本的な考え方」が公開
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan033/siryo6.pdf

この時点で、福島事故の影響が、現存被ばく状況と緊急被ばく状況が混じった状況であることが理解。
自分なりには、20K圏内と計画的避難区域と緊急時準備区域は緊急被ばく状況に該当。その他の地域で1mSv/y以上で居住が継続できる地域が現存被ばく状況であろうと推測しました。



2011年5月31日の日記

まずは1ミリシーベルトという設定数字の意味から探ります。
CRPが出した通告の 1ミリシーベルトは到達目標であり、その数値の出し方は 「自然被曝と、医療被曝を除いた外部被曝内部被曝の合算」です。 

なぜ除いてあるかというと、、 
・そもそも自然被曝が平均で2.4ミリシーベルトぐらいあること。
・医療被曝の数値は高いから。
です。

日本医学放射線学会雑誌64から抜粋ですが
■検査で受ける平均線量(mSV)
一般X線 頭部(単純) 0.1
胸部(単純) 0.4
     胃(バリウム) 3.3
X線CT 頭部 2.4
     胸部 9.1
     上腹部 12.9
     下腹部 10.5
集団検診 胃(透視) 0.6
     胸(撮影) 0.06
つまり普通に集団検診して0.66mSV
CTを何かで1回とれば、余裕で数値を超えてしまいます。

CRPは、デフォルトがかなりあることは十分承知の上で、追加分を1ミリに抑えるように努力しなさい と言っているわけです。

なぜそうなのか?というと。 「医療照射等による被曝は、個人のリスク計算の上で、利益があると判断されて選択した行為であり、事故起因の被曝は選択の余地がない被害なのだから、ミニマムに抑えましょう」ということだそうです。

さらに、避難についても、 「経済的、社会的リスクを判断したうえで、避難を選ばない場合もある」とし、その場合は現存被曝と定義して その被曝をできるだけ1ミリシーベルトに抑えるべく努力をするようにと 指示しています。 

「社会的・経済的要因を考慮にいれながら合理的に達成できる限り低く(As Low As Reasonably Achievable;ALARA)」被ばく線量を制限することが求められている。

わけです
そうしたことを考えますと、政府が 爆発後に出した20ミリシーベルトという指標は、良い値だと思うようになりました。(ただ、子供と大人を一緒にしちゃったんで、問題だったと思います)
事故直後でもあり、線量は時間経過に従って、ある程度は下がるからです。 ただし、使っていた論旨は不満だったんですけどね。

子ども達へ例えば初期の段階で10ミリとか5ミリとかいうラインが出てたら、もしかしてすんなり受け入れたかもしれないです。実際には醜悪な展開でした。 放射性感受性の高い層に対してのケアをもっと前面に打ち出していたら、はるかに社会的軋轢が少なかったろうにと思います。 今回の問題に関しては、リスクの受け方が年齢で大きく異なります。大きく異なっているのにもかかわらず同じ枠で扱うのは無理があると思うからです。 同様にヨウ素131への対応と、セシウム137への対応を明確に打ち出す必要もあって、この二つの核種の差も非常に大きいです。 現状の混乱の一つの要因は、ヨウ素131とセシウムの扱いの違いを明確に打ち出せなかった点にもあります。端的に言ってしまえば、短期決戦型のヨウ素131に対する防御と、長期緩やか型のセシウムに対する防御は、天と地ぐらいの差があります。 ヨウ素131が大量に出ている局面では、短期避難あるいは徹底した屋内退避が望ましく、長期避難を考えるのはセシウムベースで行うべきじゃないかと思うからです。

こうしたことを考えるにつけ、説明不足というか、配慮の足らない政府の方針が腹立たしくなってくるわけですが、、、

おそらく、
・短期避難(ヨウ素131対応)
高濃度なヨウ素131地域 ー 緊急一時避難を行政主体で行う。
低濃度なヨウ素131地域 ー  1〜2週間の屋内退避及び妊婦乳幼児児童の自主退避を推奨して、便宜を図る

・長期避難 (セシウム対応)
高濃度なセシウム地域 ー 計画避難 生活基盤そのものの移動
中濃度なセシウム地域 ー 妊婦幼児児童の安全確保と自主避難への便宜
低濃度なセシウム地域 − 妊婦幼児児童の安全確保

という感じの対応がきちんとした説明つきででていたら、嬉しかったように思います。。
今回の事故のタイプが、ぐずぐず継続するタイプですよね、ですから今でもヨウ素131が出ています。(ただし現状は広がってないです)

さきの対応に従って 日々のモニターがしっかりしていて、今後もし、ヨウ素131が拡散されたら速やかに対応する ということが周知されていれば、いいような気がしています。
(そのためにも、正確で広範囲な実測が欲しいです、、、、)

その後の経緯
7月19日 今後の避難解除、復興に向けた放射線防護に関する基本的な考え方について
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan054/siryo.pdf
(緊急被ばく状況を経ずに現存被ばく状況に至っている地域がある点について言及。
緊急被ばく状況を経て現存被ばく状況に至る場合は、一旦避難なり、避難準備なりの状態をへて、その後、現存被ばく状況への移行をもって、居住の許可を与えられることになるけれど、今回の場合は、最初から居住の許可が認められている地域が広かった。最初から実質的な現存被ばく状況にあったと言える。それは、ある意味、汚染の度合いが低かったおかげだが、あとから現存被ばく状況であることを示されるという経緯をたどっている。数値的には緊急被ばく状況の参考レベルの最下限と現存被曝状況の参考レベルの上限が同じ数値であり、それを選んでいるために、矛盾は起きていない。けれども、腑に落ちない部分があったのは否めない。)


6月24日ウイーンでの発表原稿
東京電力(株)福島原子力発電所
原子力災害に対する対応
http://www.nisa.meti.go.jp/oshirase/2011/07/230715-5-2.pdf
(例のラインの図がはいってる)


今後の避難解除、復興に向けた放射線防護に関する基本的な考え方について
平成23年7月19日  原子力安全委員会
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan054/siryo4.pdf

最新の放射線防護の考え方 8月26日
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/bougoWG/2/siryo3.pdf

9月30日 緊急時避難準備区域の解除
http://www.meti.go.jp/press/2011/09/20110930015/20110930015.html

http://www.meti.go.jp/press/2011/09/20110930015/20110930015-2.pdf
公示(引き続き警戒区域の公示)
http://www.meti.go.jp/press/2011/09/20110930015/20110930015-7.pdf
その地図
http://www.meti.go.jp/press/2011/09/20110930015/20110930015-10.pdf
解除前の地図
http://www.meti.go.jp/press/2011/09/20110930015/20110930015-12.pdf
3月30日時点の地図
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/20120330_02g.pdf

被災者へのページ
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu.html#shiji

11月25日 小さな変更(地点追加)
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/111125c.pdf

12月26日緊急事態宣言の解除
http://www.nisa.meti.go.jp/oshirase/2011/12/231226-4-1.pdf
26日時点の詳細資料
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/111226_01a.pdf

↑訂正、この12月26日の緊急事態宣言の解除は福島第2発電所の分
第一は12月16日に冷温停止状態で安定したという通達がありステップ2に入ったとのこと

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個人的に実態に一番近いのじゃないかと思われる分析↓
東日本大震災後の放射線と防護の基準をめぐる議論 井 上 佐知子
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3487580_po_20110408.pdf?contentNo=1

(一般人が困惑していたと同様に、関連省庁でも翻弄されていたのではないだろうか。おそらくどの省庁がどこでどういうイニシアティブをとったらいいのかすら、決まっていなかったのではないだろうか。
ただ、現存被曝状況であるというのは、1mSv/y以上の空間線量が発生している地域ではすでに該当していて、それに対する防御策は、例えば、食品の出荷制限であるとか、水の使用禁止(一日あった)であるとか、稲わらの使用禁止であるとか、腐葉土の使用禁止であるとか、モニタリングポストの拡充であるとか、風評被害補償であるとか、様々にされている。ほとんど即座に現存被ばく状況に対応する体制が開始され、充実を続けられてきていると言える。 ので、特段に「現存被ばく状況である」という宣言が必要であったか?と問われれば、「実質的には必要はなかった」と答える気がする。宣言がされていようといなかろうと、対策は同じ。)


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その他の資料
文科省の8月31の第40回基本会議より
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housha/002/gijiroku/1311781.htm
国際放射線防護委員会(ICRP)2007 年勧告(Pub.103)の国内制度等への
取入れ(現存被ばく状況関連)に係る論点整理
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housha/002/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/09/05/1310658_1.pdf

東日本大震災後の放射線と防護の基準をめぐる議論 井 上 佐知子
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3487580_po_20110408.pdf?contentNo=1

日本原子力安全機構 柴田先生のPP
http://www.soc.nii.ac.jp/jps/2011610sympo/shibata.pdf

原子力バックエンド研究 11月
http://www.nuce-aesj.org/publishing/journal/vol18/Jnuce-Vol18-2-p71-74.pdf


平成22年放射線防護に関する考え方
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/bougoWG/11/siryo2.pdf

 
甲斐先生

拝啓
(中略)
問い合わせは、3月4月の甲状腺スクリーニングについてです。
数日前、放出量の訂正がなされてから、ツイッター上で私の周辺では議論が少し起きていました。

今回の議論のメインは、
「放出量推定が増えたとしても実測値としてのスクリーニングがあるから、被ばく推定はそんなには動かないだろう」
という主張に対して
甲状腺スクリーニングは実数が少なすぎるため、全体像を反映はできていない」

という点でした。

私は、小児甲状腺等価線量がWHOの試算のmaxで100〜200mSvの推定値になったとしても、それでもまだチェルノブイリよりはるかに良い状態だと思うし、そもそも、最大区分値はグラフのずっと左側に山を作ると考えます。


ですが、自分は自信をもって言い切ることができません。
間違っている可能性も多々あります(今までも沢山の誤解がありました) ご助言をいただけたらと、不躾ながらメールを出させていただきました。。
お忙しい中、突然、私事を持ち込み大変恐縮です、、、
(無視してくださっても構いませんので、)

敬具 

上記の件でメールをいただきました。
事故後、さまざまな問題で不安なことをお持ちかと思います。

質問は、原発事故から環境中に放出された放射性物質の量の訂正があり、総量が90京ベクレルと報道されたことで、従来の推定量が77京ベクレルから1.2倍増加したことで、小児の甲状腺線量の推定に影響するかという質問と理解しました。

結論からいうとすぐには影響しないと考えています。
理由は次の通りです。

1)個人の線量を推定する基礎となっているのは、測定データです
 放出量の推定には不確かさがあります。とくに、どの時点でどのくらいの放出量があったかが重要なデータで、そのときの風向きによっては海側に流れていきます。現在推定されているのは、総量ですから、その数値に比例して線量が影響を受けることにもなりません。

 放出量を用いて大気拡散の計算を行う(SPEEDIのような計算シミュレーション)場合でも、大気中の濃度や地表面の濃度の測定値と比べて、ある時間の放出量を修正していく方法がとられます。

 このように、放出量は地球全体への影響をみるとやチェルノブイリ事故との比較のときには参考になりますが、個人の線量を推定するには大きな役割を果たしていません。

先日、WHOが福島事故の線量推定の報告書(中間報告)をまとめました。
http://www.who.int/ionizing_radiation/pub_meet/fukushima_dose_assessment/en/index.html

この中で、線量推定は、測定データを基礎にして行っています。ただし、国外の推定には、測定データが少ないので、放出量を用いた推定を行っています。

2)甲状腺スクリーニングの位置づけ
 甲状腺スクリーニングは、飯館村、川俣町、いわき市の地域の子どもたち1080名を国の災害対策本部が測定したものです。この測定は3月24-30日に実施され、60%が検出限界以下でした。検出限界の線量を考慮しても、93%が10mSv以下であったと推定されています。
 WHOは、この数値を参考にはしていますが、最終的には地表面の測定データなどから計算で甲状腺線量を推定しています。その結果、乳幼児は、汚染の高い地域で100-200mSv、その他の福島県内で10-100mSvと推定しています。

最近のニュースによると、弘前大学の床波教授のグループは、4月11-16日に浪江町津島地区の住民などの測定した結果から、大人で最大で87mSvであったが、子どもの最高は47mSvと推定している。つまり、汚染の高い地域の線量を意味しています。

このように、直接測定したデータはそれなりに信頼できるものと考えていますが、すべての人々を代表しているかといえば、必ずしもそうではないので、WHOのような高めの推定値になっていると考えられます。

今後は、多くの測定データを集め分析して、線量推定が行われていくと予想されます。その推定値にそって今後の健康調査などの対応がとれていくべきと考えています。

大分県立看護科学大学
甲斐倫明

農業及び土壌の放射能汚染対策技術国際研究シンポジウム
http://togetter.com/li/269662

【メモ】農業及び土壌の放射能汚染対策技術国際研究シンポジウム での発表資料の概要一覧 http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/index2.htm
(1)「福島第一原子力発電所事故による農地、農産物の汚染」 (PDF:142KB)
宮下清貴(農業環境技術研究所 理事長)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/01_miyashita.pdf


(2)「福島県における放射能汚染に対する農業分野での対応」(PDF:283KB)
門馬信二(福島県 農業総合センター 所長)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/02_monma.pdf

(3)「放射能事故後の農業復興分野における重要責務」
ルドルフ・アレクサーキン(全ロシア農業放射線生態学研究所 所長)

(4)「チェルノブイリ原子力発電所災害により汚染されたベラルーシ国内地域の回復および持続可能な開発の基盤としての農業部門での対策」
ヴィクター・アベリン(ベラルーシ 放射線研究所 所長)

(5)「農業での対策 ウクライナの場合」
ヴァレリーカスパロフウクライナ農業放射線研究所 所長)

(6)「米国環境汚染評価と除染」(PDF:1,179KB)
大西康夫(米国 太平洋北西部国立研究所 主任科学者)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/06_onishi.pdf

講演者および発表演題
発表1「農地土壌の放射能モニタリング」
(1) テーマ:福島第一原発事故に伴う農地土壌における放射性物質の分布(PDF:994KB)
発表者:谷山一郎(農業環境技術研究所 研究コーディネーター)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/o01_taniyama.pdf

(2) テーマ:「原発事故により放出された放射性物質の農作物への移行」(PDF:257KB)
発表者:村松康行(学習院大学 理学部 化学科教授)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/o02-1_muramatsu.pdf

発表2「森林の放射能汚染」
テーマ:福島第一原発事故による森林の放射能汚染の実態と今後の課題(PDF:320KB)
発表者:金子真司(森林総合研究所 放射性物質影響評価監)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/o02-2_kaneko.pdf

発表3「農地土壌の除染及び農作物の放射能汚染低減技術」
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/o03_kimura.pdf


発表4「農地土壌の除染技術(1)」
テーマ:農業機械を使用した農地の放射性物質の低減技術(PDF:835KB)
発表者:長坂善禎(農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 作業技術研究領域 主任研究員)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/o04_nagasaka.pdf

発表5「農地土壌の除染技術(2)」
テーマ:農地土壌の除染技術の開発−物理的除染−(PDF:1,010KB)
発表者:中達雄(農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所 水利工学研究領域長 )
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/o05_naka.pdf

発表6「農作物の放射能汚染低減技術」
テーマ:水稲、大豆、キャベツにおける放射性セシウム低減対策(PDF:1,007KB)
発表者:加藤直人(農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 土壌肥料研究領域 上席研究員)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/o06_kato.pdf

発表7「飼料作物の放射能汚染低減技術」
テーマ:飼料作物における放射性物質低減技術の開発(PDF:2,056KB)
発表者:栂村恭子(農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 企画管理部 研究調整役)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/o07_togamura.pdf

発表8「福島県における放射性物質除去低減技術の研究・開発」
(1)テーマ:農地・農作物(PDF:2,424KB)
発表者:吉岡邦雄(福島県 農業総合センター 生産環境部長)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/o08-1_yoshioka.pdf

(2)テーマ:果樹(PDF:2,396KB)
発表者:松本登(福島県 農業総合センター 果樹研究所長)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/o08-2_matsumoto.pdf

(3)テーマ:畜産(PDF:705KB)
発表者:遠藤孝悦(福島県 農業総合センター 畜産研究所長)
テーマ:農地土壌の除染及び作物の放射性セシウム吸収抑制技術への取組(PDF:466KB)
発表者:木村武(農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 土壌肥料研究領域
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/pdf/o08-3_endo.pdf


ポスター発表
http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/symposium/posters.htm

【講演資料】エフゲーニア・ステーバーノブナ教授「チェルノブイリと小児疾患」
http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2012/04/blog-post_14.html


【講演資料】ミハイル・V・マリコ博士「チェルノブイリと広島・長崎」

http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2012/04/blog-post_13.html

について、

ステバノフ博士の後半に書かれた福島チェルノブイリ比較の論は、核種割合と実際の被曝量を無視しているので、アンフェアだと思う。
マリコ博士の発表は詳細なチェルノブイリ理解にGJ。

まとめ http://togetter.com/li/217088 に転載




低線量被ばくの白血病について、
EU委員会より
http://ec.europa.eu/energy/nuclear/radiation_protection/doc/publication/170.pdf

Following the Chernobyl nuclear reactor accident in 1986 a study found a notably raised risk
(ERR per Gy 78.8; CI 22.1-213) of childhood leukaemia in the heavily contaminated districts
of the Ukraine (but not in Belarus or Russia) (Davis et al 2006). As the results could be due
to a sampling-derived bias in Ukraine, the authors concluded that this study provides no
convincing evidence.
(Davis 2006)の結果はウクライナのサンプリングから派生したバイアスによるものである可能性があるため、著者らはこの研究では、全く説得力のある証拠を提供しないと結論づけた。
ウクライナの報告で、小児白血病の増加あり。しかしベラルーシとロシアでは確認されなかった。ウクライナのデータの恣意的な選択によるものではないかと推論
ウクライナ(Noshchenko2010)の後の研究で、白血病のリスクは依然として大幅に10ミリグレイ以上の放射線被曝線量とのそれらの間で増加したが、リスク推定値は、実質的に低かったが、これらで使用されるデータの正確性について疑問を提起研究(ウェイクフォード2010)。



MALIKO先生の論文検索
白血病
Radiation Risk Assessment of Leukemia in Children of Belarus
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr139/pdf/malko-2.pdf
初期被曝の大きい層(実際には1986年から1992年の期間だけ)増加が現れています(625例)
その後速やかに事故前のレベルに戻りました。
スライドM30のグラフはそういう意味合いのものです。


Chernobyl Accident: the Crisis of the International Radiation Community
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr21/kr21pdf/Malko1.pdf
Assessment of the Chernobyl Radiological Consequences
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr21/kr21pdf/Malko2.pdf

今中先生の目次
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr79/kr79pdf/preface.pdf

Social Aspects of the Chernobyl Activity in Belarus
http://ww.tschernobyl-initiative.welcomes-you.com/dokumente/belarus/pdf/band3_s24_37.pdf


Research Activities about the Radiological Consequences of the Chernobyl NPS
Accident and Social Activities to Assist the Sufferers by the Accident
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr21/kr21pdf/Preface.pdf

Research Activities of the Nuclear Safety Research Group of KURRI with
Belarussian, Russian and Ukrainian Colleagues about the Chernobyl Accident
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr21/kr21pdf/Imanaka1.pdf

Risk assessment of
radiation-induced thyroid
cancers in Belarus
http://elmu.umm.ac.id/file.php/1/jurnal/E/Environmental%20Management%20and%20Health/Vol11.Issue5.2000/08311ee2.pdf


Doses of the Whole Body Irradiation in Belarus As a Result of the Chernobyl
Accident
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr139/pdf/malko-1.pdf


チェルノブイリ20年後(韓国)
http://inderscience.metapress.com/content/68392p702k86q119/


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
子どもの罹患率について論文調査


Health effects due to radiation from the Chernobyl accident
http://www.afcn.be/GED/00000000/2700/2771.pdf
引用文献表

ウクライナの子供の罹患率 肺
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2866691/

スイスにおけるプルトニウムストロンチウムの影響について
http://cdn.intechweb.org/pdfs/17978.pdf

英国内部被曝委員会http://www.cerrie.org/
http://www.cerrie.org/pdfs/cerrie_report_e-book.pdf

内部被ばくからの放射線の線量とリスク
http://iopscience.iop.org/0952-4746/28/2/R01

多臓器不全症候群または失敗の開発における消化管の放射線誘発損傷の寄与
http://bjr.birjournals.org/content/Supplement_27/1/89.short

Incidence of Childhood Disease in Belarus
Associated with the Chernobyl Accident
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1469956/pdf/envhper00331-0145.pdf
消化器官の疾患は1992年以来二番目に高い有病率を持っていた。 1995年に最高のレートは、(10811/100000子供)二番目のグループの子供たちの間で登録された、これらの発生率は(図2)全体としてベラルーシ率よりも2.4倍高かった。
これらの条件の中で最も頻繁には、胃炎や胃十二指腸炎であった。胆管病変の発生率の増加も記録した。

sageの最終WG報告
http://www.ec-sage.net/members/WP1_Proceedings.pdf
I think we should launch common medical projects to study diabetes, for instance, to
also study problems in the digestive system of children or the loss of sight due to
radioactivity. I think that common programs would be very useful and that it would be
possible to obtain funding to set them up.

http://t.co/2HlI74qC について、、
leaf_parsley 2012/03/10 06:30:01
Content from Twitter

甲状腺被曝、最高87ミリシーベルト 50ミリ超も5人
 東京電力福島第一原発事故で、放射性ヨウ素によって甲状腺に90ミリシーベルト近い被曝(ひばく)をしていた人がいることが分かった。弘前大学被ばく医療総合研究所の床次眞司(とこなみ・しんじ)教授らが、事故の約1カ月後に行った住民65人の測定結果を分析した。被曝した人の約半数が10ミリシーベルト以下だったが、5人が50ミリシーベルトを超えていた。
 甲状腺被曝はがんのリスクがあるが、ヨウ素半減期が短く、事故直後の混乱などで、きちんとした計測はされておらず、詳しい実態は分かっていなかった。
 床次さんらは昨年4月11〜16日、原発のある福島県浜通り地区から福島市に避難してきた48人と、原発から30キロ圏周辺の浪江町津島地区に残っていた住民17人を対象に、甲状腺内の放射性ヨウ素の濃度を調べた。この結果、8割近い50人からヨウ素が検出された。
 この実測値から、甲状腺内部被曝線量を計算した。事故直後の3月12日にヨウ素を吸い込み、被曝したという条件で計算すると、34人は20ミリシーベルト以下で、5人が、健康影響の予防策をとる国際的な目安の50ミリシーベルトを超えていた。
 最高は87ミリシーベルトで、事故後、浪江町に残っていた成人だった。2番目に高かったのは77ミリシーベルトの成人で、福島市への避難前に同町津島地区に2週間以上滞在していた。子どもの最高は47ミリシーベルト。詳しい行動は不明だ。
 国が昨年3月下旬、いわき市、川俣町、飯舘村の子ども1080人に行った測定では、35ミリシーベルトが最高値と公表されていた。


チェルノブイリの事故のよる小児甲状腺癌の増加については、線量と癌死(あるいは癌化)リスクとの関連が十分に定量化ができていない状態です。
したがって、現状のわたしたちが比較可能なことは、チェルノブイリでの推定被曝量と、今回の被曝量がどのぐらい違うか?というあたりができるような気がします。

チェルノブイリの初期被曝による甲状腺等価線量は、ベラルーシで 0.37 から0.034 Gyとみなされています。最高値はベラルーシで10.2Gy ロシアで5.2Gyです。 セシウムからの被曝量は0.05Gyを超えることはなかったと報告されています。
そして、ベラルーシの避難民だけを対象にとると、甲状腺被曝線量の平均値は1.3Svです。したがって、この1.3Svを尺度にすると、単純計算でベラルーシの避難民の6%の被曝量にしかならないんです。はるかに安心な値です。
慢性的な被曝が続いている状況で、初期のヨウ素131による被曝の影響だけを見るのは無理なはなしで、チェルノブイリでの被害も、複合的な影響を考えざるをえないところがあります。
追い打ちを食らって悪化、という印象が大きいんです。 (印象を語ってもどうしょうもないんですが、イメージとして、)例えば、経口摂取による内部被曝の増加とか、ストロンチウムの伏兵威力とか、、、もちろんそれだけではなくて経済状況の悪化による栄養状態とか非常に大きかったと思いますし。
なのでまあ、未来はわかんないですが、スタート地点で 6%の被曝で収まっているという状態は、かなり楽観材料じゃないかと。

自分のフォロワーさんたちは、この記事で「大変だー」とか騒ぐ人がまったくいないんで、言わずもがなという気がものすごくします。。orz

あ、ついでにこの6%の被曝量というのは、南相馬セシウム被曝の推定からもオーダー的な同期が結構とれてまして、南相馬セシウム被曝は1mSvを超えない、という発表でした。チェルノブイリの初期のセシウム被曝は50m㏜を超えないという発表なので、こちらは2%。オーダー的にこのへんです


実効線量と等価線量とは?

実効線量ってなあ、防御のラインをひくための標準モデルなんです。例えば集団線量を防御ラインにもってくるとすると、その集団をどうやって集めたか?が問題になります
どういう被曝をした集団を集団線量の対象にするかで数値が大きく変わるにもかかわらず、そもそも「どういう被曝をした」という評価そのものを測る数値を決定する話をしているわけで、自己撞着状態に陥ってしまうわけです
そのため、一個の標準的な人間を仮定し、その人間が全身被曝を受けたときに、どういうリスクとなるか?を数値化したものが実効線量になります。
これに対して、等価線量は、実際の被曝エネルギーを臓器1キロあたりの数値にして出したものです。(実効線量を出すための材料でもあるし、臓器ごとのダメージをみる指標にもなります)
実効線量の組織荷重係数をみていると分かるのは、臓器ごとにあたるエネルギー量と、健康被害は、単純な関係ではないという事です。そこにはもっと複雑な色々が加味されていて、比例関係では語れません。
なぜ実効線量上(全身均等被曝モデル)で甲状腺に寄与率が3.3%にとどまるかといえば、甲状腺癌の致死率がとても低いせいなんじゃないかと自分は思います。(全身被曝すればもっとしんどい被害の臓器はたくさんあるので)
一方で、甲状腺単独にみれば、等価線量に上がってきた数値は、ストレートにそれだけのエネルギーをうけているという意味です。しかし、その等価線量数値と健康被害の関係の定量的な検討は、さっきもツイートしたようにまだ途中です。

リスク評価的には上げてあります。(致死率が非常に低いにもかかわらず) 

UNSCEAR2006から甲状腺の項目 サマリー

UNSCEAR2006報告の甲状腺部分のサマリーの要約ツイートしときます(PDF)http://t.co/wK9ThJ6W P108 セクションU甲状腺パラグラフ467

甲状腺は、小児期における放射線外部被曝の発癌影響に対する感受性が高いです。 被曝時の年齢はリスクの重要な因子で、被曝時の年齢の増加に伴ってリスクが減少していく傾向が多くの研究で観察されています。
甲状腺癌は女性で頻繁に自然発生しますが、放射線リスクを決定する際のの性の役割は明らかではありません。BEIR?委員会は甲状腺癌の生涯リスクを男性で0.32%Gy-1,女性で1.6%Gy-1 と推定しています。
小児期に被曝した人では、リスクの上昇が生涯を通して続くけれども、いくつかのデータではERRが被曝後約20年で減少し始めることを示唆しています。
 ヨウ素131の線量からの発癌影響はあまり十分に理解されていません。医療被曝についてのほとんどの疫学ケンキュは、広い範囲の線量に被曝した後のリスクをほとんど示してこなかったのです。しかも、これらの研究の大半は成人の被曝についてでした。
アメリカのハンフォード核施設近隣に小児の時住んでいた人々の追跡調査研究は、ヨウ素131の線量と甲状腺癌リスクの関連の証拠を提示していません。対照的にチェルノブイリ事故の結果として被曝した人々の研究からの結果は。幼少時の放射性ヨウ素への被曝が
甲状腺癌の発症のリスクと有意に結び付くことをはっきりと示しています。 このリスクは食事中の安定ヨウ素の量によって加減されているように思われます(私見チェルノブイリは食事にヨウ素が少なかったので被害が大きくなったという意味)
低LET放射線外部ひばくに関するデータと同様、チェルノブイリ事故の研究からのデータは、被曝時年齢の増加に伴ってリスクが減少することを示唆しています。性の違いの影響はすべての研究において一致した結果がでているわけではありません。
過去数年において、ヨウ素131の被曝についての情報は追加されてきています、しかしながら、ヨウ素131の被曝による甲状腺癌リスクは、まだ十分には定量化されていません。(終わり


甲状腺等価線量と実効線量とを比べる?


今回、甲状腺等価線量で100mSv近い被曝ということですが、どうしても外部被曝100mSvと比べてしまう方が多いと思うんですよね。

単純に言ってしまうと、実効線量で100ミリシーベルトってなあ、甲状腺も100、心臓も100、骨髄も100、骨も100、脳も100、生殖腺も100etcの状況なんですよ。 これと甲状腺だけ100ミリシーベルトを比べるってなそもそも無理

あえて、甲状腺等価線量で、甲状腺被害を予想するためには、甲状腺等価線量の線量分布で表示された甲状腺への被害をみないといけないです

カーディス先生の症例研究より(PDF)http://t.co/3w2v2Avz 患者数276、地域のコントロール群数1300 http://t.co/M65qQ3vB
ものすごい荒い説明をすると、、カーディス先生の症例研究ではhttp://t.co/M65qQ3vB 線量分布がこういう感じになります。 で乱暴に線量の大きいと発症と仮定すると、このグラフの上位276人が発症ということになります。
 普通はそんな乱暴な関係はなくて上下にぶれができますから、それを加味してメインの発症ラインは500mSvあたりなんじゃないかな。
だからまあ、被曝量が6%で収まってるってのあ、このグラフでいうとグラフの左のほうに固まってるってことなんです。スゲー安心です。 (で、この関連がなぜまだ検討途中かてのあ、患者がまだ20才そこそこだからです。)



グラフ上位276人という例はあまりにも乱暴な推論なので、却下します、すいません。
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ダイアログミーティングより

伊達市で2月25、26日に行われたICRP主催のダイアログミーティングには、福島のエートスという名前で活動中のメンバーが数多く参加していました。

メインの安東さんと一緒に参加された京都女子大の水野先生のおふたりは、ミーティング外でもICRP側のメインだったロシャールさんと会話を交わされてきて、そエピソードをツイートしてくださいました。
(ロシャールさんは、1996年からチェルノブイリの汚染地帯の農村で、住民たちの放射線防護のための活動を長らくされています(ETHOSというプロジェクトです) )


ロシャールさんとの会話
安東さんと水野先生のツイートより抜粋

安東さんのツイート

ロシャールさんとの話で、オルマニー近隣の林業について聞いたら、30km圏外では、山林は、ほとんど放棄されていない。林業は続けられている。但し、職業被曝が最も大きくなるので、必ず個人線量計を持ち、マスクをするなど、被曝対策はきちんと行っているとのこと。オルマニーのあたりでも、山林と親しみながら暮らすのは、日本と同じ。人々は、森でピクニックをするのが大好き。木材は、汚染が外縁部に大きいので、周縁のみを除外して、汚染がないか、低いレベルのものだけ、使っているとのこと。これも、食料などと同じ。適切に管理しながら、使っているようだ。


ロシャールさんに、ベラルーシの写真を沢山見せてもらった。30kmの境界のすぐ側で、楽しそうに暮らしている人がいる。川で遊ぶ子供がいる。森でピクニックする人がいる。きっと、もし、あなたが故郷を愛して、そこで暮らし続けたいと思うなら、あきらめるな、と、写真の笑顔は言っていた気がする。
我々を救えるのは、我々自身しかいないのだと、しかし、それに力を貸してくれる人は、たくさんいるのだと、現実に対処する戦略は、現実の中からこそ見出すことが可能なのであると。きっと、そんなはなし。

気持ちの話をするのは、最後のところは、気持ちひとつなのだと知っているから。どのようなシステムも技術を知識を駆使したとしても、届かない場所がある。そこで、つなぐことを可能とするものは、気持ちだけ。そうして、繋がれている、あるいは途切れてしまう、いのちの在り方を、知っているから。

ロシャールさんに聞いた、エートス初期の出だしは、本当に手づくりだった。最初は、ただ、住民と会話していた。「だけど、あなた達、どうせ戻ってこないんでしょ?」また来ると言うのを信じない住民に対して、家を借りることにした。田舎だったので、借りられる家を探すのにとても苦労した。

ある時、住民が「あなた達も、家族を連れてきて、ここで暮らしてみろ」と言った。それに対して、ロシャールさん達のグループは、1人ずつ答えた。それぞれの家庭の事情、仕事の都合を説明して、ここでずっと暮らすのは無理、と答えた。住民は、納得して、満足した。そして、もし、あなた達が、ここで暮らす、と答えたら、逆に信用しなかったろう、と言った。
住民が、数値を信用できない、と言ったときに、彼らが、信用していないのは、数値ではない。それを測っている人間のことを信用できない、と言っているのだ。住民に対して、口にしたことは、必ず、実行しなくてはならない。もし、実行できないのなら、絶対に、口にしてはならない。never、と強い口調だった。

映像で見た、若いお母さんのその後の写真を見た。映像の中で、子供の内部被曝がとても大きくて、不安そうな顔をしていた母親。少し年をとった彼女は、大きくなった子供と一緒に、写真の中で、笑っていた。お子さんは、もちろん、とても元気。

ベラルーシでは、住民が、普通のおばちゃんが計測担当をしている。仕事の他に。そういう地域住民達が集まって、たぶん、定期的に会議する。出てきたデータを見て、どうするか、話し合ったりして、自分達で考えていって、必要な時には、専門家の助言をもらう。

悲しい話も聞いた。そういう計測に関わっているひとりのおばさん、仕事はきちんとしているのに、どこか距離を置いた雰囲気で、なぜ、そんな雰囲気なのに、計測に関わったりするのだろう、とロシャールさんは、内心不思議に思っていたそう。ある時、森でみんなでピクニックしていた時のこと。彼女の旦那さんが一緒に来ていた。お仕事は何?と尋ねると、バスの運転手、と。事故の時は?と聞いたら、その時も運転手をしていて、強制避難区域から住民や家畜を避難させるために、何度も避難区域と行ったり来たりしていたそう。息子さんがいて、息子さんも運転手だったそう。やはり同じように、事故の時に避難させるために何度も強制避難区域と出たり入ったりしていた。今、息子さんは?と尋ねると、亡くなった、と。事故から10年後。原因は心臓病。母親である彼女は、それを放射能のせいだと思っていた。ロシャールさんは、Maybe not. それは違うと思うよ、と言った。彼女は、Only God knows. とだけ答えた。今でも、息子さんのしたことは、誇りに思っているけれど。その時、ロシャールさんは、彼女がなぜ距離を置いたような態度で計測に関わるのか、理解した、と言っていた。その女性の写真を見せてもらいながら、その話を聞いた。ご主人の写真も見た。どこか翳りがあるような女性と、気のよさそうなご主人の。私は、その話を聞きながら、今の福島を思った。

ロシャールさんの話でいい話だな、と思ったエピソードをひとつ。住民との信頼関係を構築しようと苦労していた時期、一緒にベラルーシに行った仲間の中に、写真がとても上手な人がいた。彼の撮ったその村の写真を(どこだったかは聞き取れなかった)壁いっぱいに展示することにした。その場所に15歳くらいの女の子が入って来て、すぐに出て行ってしまった。そのあと、しばらくしてから彼女は友人を連れて戻ってきた。そして、私たちの村はこんなに美しいのね、と、そういう話を友人としていた、というそういう話。


何のために数値を計測するのか。ただデータを取るだけで満足してはいけない。WBCでも何でも、目に見える形で住民の生活改善に繋げていかなくてはならない。個別に高い数値を示した人に接触して、話をして、原因を探し、その改善方法を一緒に考えていく必要がある。専門家は最初にベクレルやシーベルトの説明をしようとする。けれど、現地のおばあちゃんにとっていちばん大切なのは、「孫が遊びに来てくれなくなった」ということ。一番最初になんとかしなくちゃいけないのは、この事。住民と話をして、何が住民にとって一番重要な問題なのかを知らなくてはいけない。
最初は、ロシャールさんもコテコテの科学的説明をしようとしていた時期があって、最初はフレンドリーだった住民が、会場でどんどん顔が強張っていった。その事に気づいた同僚の心理学者がストップをかけてくれたんだって。失敗から得た教訓なんだね。


論文に出てくる「サナトリウム」の写真も見せてもらった。比喩的な療養地ではなく、建物として存在する。汚染地域の子どもたちは、そこに集められて、過ごす事になっていたよう。確かに、これは、あまり楽しいとは言えないかも知れない、と思った。外見はきれいな建物ではあったけれど。


地元の人と話をするとき、事故の時はどうしてた?と必ず尋ねているそう。若い男性と話をしていたとき。事故の時、彼はまだ子どもだった。事故から数日後、村の子どもたちは、みんな別の場所に避難させられた。親とも互いに連絡がとれないような状態で数ヶ月過ごす事になった。
彼には、親から離れて暮らす経験はその時が初めてで、本当につらくて悲しい時間だったという。数ヶ月経って、家に帰れる事になった。バスの降り口で親たちがみんな並んで待っている。彼は、バスから降りて、母親に言った。"The air is pure !" 母親はそれに対して答えた。 "No, the air is not pure. The air is fresh." この違い、この感覚が、まさに汚染地域の感覚なのだ、とロシャールさんは言った。私は、それが、すごく、よくわかる。

ベラルーシエートス情報センターで驚いたのは、村の人のWBC測定値が名前入りで一覧掲示してある事。個人情報とかは拘らない土地柄で、むしろ、公開する事の方が好まれるらしいけれど、その数値を見て、村の人達が話をするわけです。
この人が、高いのは、ほら、これが理由だよ、あのとき、ほら、これこれこーゆーもの食べていたじゃない、こーしていたじゃない、って。それで原因も特定できるし、対策もうてるし、問題意識も共有できる。村だからこそできる、合理的なやり方、と思った。

だけど、ロシャールさんがあんまり楽しそうにベラルーシの経験を話すから、こんな風に話せるようになったら、あなたたちも乗り越えられたって事になるんだよ、って言うから、私、途中で1回泣いちゃったんです。まだ、たった一年ですよ。ほんの一年前までほんとに普通に暮らしていたんですよ、って。
そうしたら、ロシャールさん、じっとこっちを見て、わかる、とてもよくわかるけれど、だけど、闘わなくちゃいけないんだ、強くならなくちゃいけないんだ、あなたにはできるから、って言ったの。状況はとてもとても困難なのはわかる、だけど、闘わなくちゃいけないって。
だから、わたしは、引きこもり業を、しばらく休業する事に決めました。

ロシャールさんは、私たちが何を失ったのか、そのことをとてもよくわかってくれていたから。置かれた状況が、どれだけ困難なのか、よくわかってくれていたから。それでも、闘わなくちゃいけないんだ、っていうから。そこにしか、道はないのだな、と。






水野先生のツイートより
http://togetter.com/li/265820

ベラルーシの人達は食べること、飲むこと、話すことが大好きだ。ETHOSプロジェクトの初め、どこにするか探した。話しを聞いた。都会でもそれ以外でも。ある時、ある村で話を聞くと、入れ入れと招き入れられ、食事をふるまってくれた。だからそこでやることにした(笑)。それがオルマニー村。
フランス人の英語を聞きながら、オルマニー村を(うろ覚えで)そういえばホルマニー村だったっけ?と思って聞いていたり、はたまたunder controleとフランス人みたいな綴り間違いになったり(笑)。混乱する(苦笑)。英語にはラテン語起源(フランス語系)の言葉も多いので仕方ない。日本でお茶を出すようなもの。ベラルーシの村ではそれが食事。だからロシャールさん達は1日に五回も六回も食事をすることになった(笑)。その食事の写真がたくさん記録されている。フランスの食べながら飲みながらという文化とも合ったのかも知れない。そういう交流のなかで話しを聞く。

ロシャールさんと話していて、途中から外国語を聞いているという感覚がなくなるのが不思議である。チェルノブイリでのECによるETHOSプロジェクトの経験。おそらく、それが人間の、まぎれもなく普通の人間の言葉だから、問題を解決しようとする普通の科学者、研究者の言葉だから、なのかと思う。最初のミッション訪問は1996年6月のこと。色々な人から話を聞き、こう助言した。三ヶ月に一度来るので、次回までに食材を記録をと。しかし9月は多忙で10月になった。来て聞いた。誰か記録は?一人だけいた。だが9月の途中まで。なぜ?と聞いた。待っていたが来なかったから。
チェルノから十年。国家崩壊に向かい、情報ゼロ、流通生産管理なし。日本ではない。1991年12月国家崩壊。経済は極端に悪化。その間、村に来た研究者達は質問をし、写真を撮り、帰っていく。また来ると言うが二度と来ない。私達はモルモットか。それと同じだと思った。だからロシャールさん達は学ぶ。村人は、ある人達は危険だと言い、別の人達は大丈夫と言う。私達は何を信じていいか分からない。(勿論PCなど村に一台もない。)村人達にやると言ったことは絶対にやるべしと。そこで村に家を借りることにした。3年契約。

ある家で話を聞き、測ると子供が高い。乳牛は隣人と同じ牧草地。たがよく聞くと、実は別に干し草も毎朝。あは〜それかも!と測定、原因判明。市役所は統計を取るがそれ以上しない。だがそうやって下げられる。住民が自ら取り組む。under controleと何度も指摘するロシャールさん。
ETHOSプロジェクト当初は1996年、チェルノ後10年、都会は除染済み。だがオルマリー村のようなところは放置されていたようだ。その頃、まだ経済状態が悪く、村のレストランで何も出せないと言われたことも。普通の村は1軒平均乳牛2頭、だがオルマリー村の平均は1頭。そんな中での出来事。


ある時、学校の先生の女性が測ってみたいと言う。そこで家の中、庭等を色々測定。室内は非常に低い。ここは大丈夫と理解した。それを家のおばあちゃんが遠巻きに腕組みして見ていた。説明した。そんなはずはない。ひどい事故だという。やっと理解した。「じゃあ息子が帰ってくる」と明るい顔で言った。数ヶ月後、その女性に出会った。ココアをご馳走したいから家に上がれという。忙しかったロシャールさんは「後で」と言うと、非常に落胆した顔をする。どうしてがっかりしたのと聞くと、あなたに牛乳で作ったココアをご馳走したかった。30Bq/Lになったから。以前は800Bq/Lだったのに。その女性、学校の先生だったので、ある時、はたと思いついた。牧草が何Bq/kg、移行係数がどれだけ、だったら牛乳は何Bq/Lになる?という問題を子供たちに出そう。小学校の先生で、ちょうど掛け算の学年。それをロシャールさんに伝え、その後、次々に問題作成。それが主体的。

測定が増えると高い場所が分かってくる。でも一概に禁止でなく、例えばここからここはこの程度の空間線量率、ならば通過して遊び場へ行くのに、子供の駆け足で何十秒、するとその間の被曝は何μSvと計算してみる。子供たちに計算させる。それが(外部被曝の)under controlということ。
その学校の先生は子供達を牧草に連れ出して測定、牛乳も測定。さて実際はどうか。大抵その通りにならない。そこから誤差を認識し原因を考えるという段階に進む。実際、移行係数は非常に誤差が大きいことが知られる。単純ではない。しかし移行係数には傾向も工夫の余地もある。これが放射線防護の文化。


ロシャールさんと話していると、このような例が次々に出てくる。20年も苦労されたのだから当然かもしれない。最初に放射線防護の調査目的でチェルノブイリに入ったのは1990年(ETHOSが1996年から)。この話を出版したら?差し向けると、いや〜、それは日本のあなた達が創り出すことと。

ある時、その女性はふとこう言った。The thaw has begun.(雪解けが始まった。)この言葉の奥には、長い長い、氷に閉ざされた時間があったに違いない。その氷が解け始めたと、感じられるようになった。それは科学の言葉ではない。しかし人間の実感としての言葉であり、詩である。

新幹線の中でもこの話をしてくれた。"The thaw has begun." 詩としての言葉。だが、ここからは私も分からない。ロシャールさんは、日本人は詩が得意だとおっしゃる、俳句があるだろうと。どうなのか^^; 少なくとも、「一般の人」が語れる言葉が必要であることは確か。

つまり「放射線」はなまじっか専門用語が多かったために、「科学の言葉」しかなかった。α線β線γ線。しかし、それは残念ながら人間の言葉ではないだろう(自分でいうのもはばかられるのだが)。日常用語でないことは確か(残念ながら^^)。詩とはそういう意味だ。普通の人間の言葉で語る言葉。

勿論「科学」は重要だとロシャールさんも当然ながら言う。科学は解決方法を提案する。だが最初からそれを言っても、人々に届かない。(それは多分最後に出てくる。私は逆転させると感じた。)これを彼はhuman dimensionと呼ぶ。人間の次元。科学の次元と、人間の次元。その両方が必要。

そしてロシャールさんは政治哲学者アーレントの言葉を教えてくれた。「科学者が原爆の原理を発見したことは責められない。原爆が政治的に使われたことに科学者が無力であったことも責められない。だが科学者は、人々が語る言葉を作り出してこなかったことは責められる…」これを彼は詩と呼ぶのだろう。

前ツイで紹介したハンナ・アーレントの言葉(の筈のもの)、まだ出典を確認してなくて、うろ覚えで書いてます。正確な言葉は後日、紹介したいと思います。@ando_ryokoさんによれば、アーレント『人間の条件』の冒頭に出てくる。私の誤解があれば困るなぁ。でもそういった意味だったはず。

ロシャールさんから学んだことはまだまだ多い。だが難しいことも確かかもしれない。今後の課題の一つであることは確か。フランスで福島のニュースを知ったとき、これから何が起こるか、私には絵のように想像できた。そして涙が出たとおっしゃっておられたことも印象的。現代社会の問題の一つになった。

安東さんのレス
"…だから、科学者が科学者として述べる政治的判断は信用しないほうが賢明であろう。しかしそれは彼らの「性格」の欠如ー彼らは原子兵器の開発を拒否しなかったーや彼らの素朴さー彼らはこのような兵器がいったん開発されてしまえば、あとはその使い道については…""…なにも相談を受けないようになるということに気がつかなかったーためではない。科学者の政治的判断を信じないほうが賢明なのは、科学者は、言論がもはや力を失った世界の中を動いているというほかならぬこの事実によるのである。" "人びとが行い、知り、経験するものはなんであれ、それについて語られる限りにおいて有意味である。たしかに言論を超えた真理も存在しよう。そしてそれらの真理は、単数者として存在する人、いいかえると、他の点はともかく少なくとも政治的存在ではない人にとっては、…""…大いに重要であろう。しかし、この世界に住み、活動する多数者としての人間が、経験を有意味なものにすることができるのは、ただ彼らが相互に語り合い、相互に意味づけるからにほかならないのである。" ハンナ・アレント『人間の条件』プロローグより この引用部の前に "科学によって作り出された状況は大きな政治的意味をもっている。言論(スピーチ)の問題が関わっている場合にはいつでも、問題は本性上、政治的なものとなるからである。というのも言論こそ人間を政治的存在にする当のものだから。"という記述があります。

水野先生
@ando_ryoko なるほど。ご紹介、ありがとうございました。

ダイアログミーティング2日目

2012年2月25日、26日の両日に伊達市ICRP主催のダイアログミーティングが開催されました。

おもにfukuwhitecatさんがツイッターで流してくださったまとめです。


一日目
http://togetter.com/li/263347
http://togetter.com/li/263324 (予備)

途中の感想
http://togetter.com/li/263816

2日目
http://togetter.com/li/263840
あんどーさんがジャック・ロシャールさんから聞いたエートス(本場?)でのエピソード
http://togetter.com/li/265465

福島のエートスの発表資料
https://docs.google.com/file/d/0BxqSmDmQ78xCTS02QTFHREFSWDJ0d1VndkdOV3FzUQ/edit?pli=1


ロシャール>遅れておりますが、そろそろ始まります。美味しいお食事と美味しいワインをありがとうございました♡今日はセッション3から。専門家からの話題です。福島の役に立てますかどうか。

セッション3:第1席 ベラルーシ科学院 ヨセフ・ボグデビッチ 「ベラルーシの取り組み:農産の取り組み」

昨日はいろいろな方からの意見を聞き勉強になった。特に伊達のみなさまからのお話しで、汚染の状況がわかった。前に進もうとする意志にも感銘を受けた。この不幸な事故にも関わらず前向きに進む、ということを学んだ。

ベラルーシ。事故後いろいろな活動をしてきた。地図呈示。ベラルーシ南東部の汚染。初期にはまずヨウ素。また問題はストロンチウムもある。しかしセシウムに注目。なぜなら福島の汚染は今セシウムが中心だから。

(スライド呈示)環境放射能モニタリング、土壌モニタリングのベラルーシの方向性。対策を取るには現状把握が重要。

汚染はどう動くのか(垂直方向)。福島では表面から5cmまでがほとんど、と聞いた。ベラルーシでは今は浸透。耕した場合40cmくらいまである。

モニタリングで重要なのは土壌。セシウムだけでなく他のミネラルの測定も重要。なぜなら植物への移行はミネラル含有の状況によって異なるから。

もう一つの問題は食品の基準。セシウムの許容レベル。TPLの変化。ベラルーシでは5年間で変化(1986-1991)。出来るだけ低いという希望の反面、農産物を作る、ということを禁止することはできない。86年は50mSv以下。ほどなく5mSv以下。今は1mSv以下。

対策。事故後5年が第一段階。汚染が高い状況での農耕は不可能。Sr、Pu多い。ただ表面土壌を取り除き移動することでなんとか農耕可能。(数字が不明確ですみません…)

伊達市と同じような除染は効果的だった。しかし、それを全村にすることは出来なかった。それは汚染の強いところと子どもの活動場所。コストがかかり全体に出来なかった。

日本でそれが可能かどうか。日本では米の作付け面積が大きい。ベラルーシでは代替作物への転換ができた。しかし日本では難しいだろう。K施肥など有効?

肉、牛乳は40%を輸入。許容範囲以下。牛乳がもっとも汚染に弱い→飼料が汚れているから。乳製品・加工品の管理もしなければいけない。チーズのリダクションファクターは20%くらい。いろいろな形で効果的に対策。

Zoning。evacuation doseとcontaminationの2本立て。

1992-2000にも様々な対策。もっとも効果的なのはやはり除染。麦畑。家畜の飼料としても使うから。食品、畜産両面に効果。

リダクションファクターによる効果の再確認。

セシウムはロシア、ウクライナと同様。ストロンチウムは10倍厳しい。ライニングは酸性土壌だけに効果。KClを使う?4年ごとに確認。さらなる対策。セシウムの移動を阻止するには、カリウムの含有量が大きく寄与する。

きちっと試験をしてモニタリング。除染活動をし、汚染を下げるときちっと収穫・収益が出る。プルシアンブルーも有効。牛1頭あたり28ユーロ(何に対してか不明)。安いことも重要。ALARA。

菜種…対策の効果あった。野菜については、種類によって異なる対策を取った。ETHOS-COREプロジェクトによる、個人に肉薄した国際対策。ベラルーシでは住民の対策まで大変時間がかかった。福島は早いのです。農作物の含有量を下げることは大事。

農産物の汚染を減らす→出荷によるリターンがある。すごく大事。牧草のモニタリング。3-4年は大変だったが、以後コントロールしやすくなった。牛乳なども日が経つにつれちゃんと下がった。

今は土壌の健全性も保たれつつある。復旧とともに、安全な生活状況を住民に提供する。伊達・福島でも一緒。農業対策はセシウムフロー・削減係数をしること。そして収穫が増えることがもっとも大事な目的。劣化した土壌の健全性を取り戻すこと。負のバランスを戻す。

ロシャール>時間を守ってくださいね♡


ゾイア・トラフィムチク:地域内外のリスクコミュニケーション

ベラルーシの情報センターの話。

現状。ベラルーシの面積25%が汚染。今も汚染地域に住む方が100万人。13万8千人を避難。汚染地域は5段階にzoning。区画ごとの把握。この影響からどう立ち直ってきたのか?

ロシア・ベラルーシ情報センター。事故後20年経って(!)作られた。ベラルーシがどれだけ事故後努力し、理解を進めてきたか。この経験は、domesticな努力はもちろん、国際的な協力もある。またチェルノブイリ事故を記憶から消し去らないためでもある。

チェルノブイリ後25年経って、情報の一元管理化が進んだ。アーカイブ。利用。影響がどうであったのか、きちんと記録に残す。毎月出版物を出している。事故後のイベントも行っている。忘れ去らないために。プログラムは様々。

ローカルな情報センターは50カ所ほど。食品計測。環境計測。学校の中に情報センターを置く。図書館とか。「文化」のコーナーに。重要な役割をもたせる。

若者との対話に力を割く。モノローグではなく、ダイアログ。

ゴメリ、モギレフ(ともうひとつ聞き取れず)の汚染が強い。specialな情報センター。若者との対話が重点。意見交換。人によってはまだ汚染地域からの作物は食べられない。若い人と対話し、大学でも交換会。一方向ではダメ。対話式の意見交換。将来の話は若者と。地域の未来について語る。重要。

汚染に対して恐れを抱く人も多い。若い人には44のプロジェクトを立ち上げ、新たな製品ブランドを作るような動きもある。まだ最近始めたばかり(!!)。こういったローカルセンターの存在と若者との交流はよいことが多い。社会的な意義。情報発信。

影響のある地域、ない地域の差・格差をなくす。総合的には、周辺国にベラルーシのイメージを上げる戦略。いまだに「あそこは汚染」的な。それを払拭したい。

ブラーギン。汚染地域に14000人。35000人が事故後にいた。事故後半減。避難者は避難後にその地に定着。まだ事故後1年、こういった問題がつきまとう。ベラルーシは25年。それでもいいイメージではない。国内、国外両面からきっちりフレンドリーに見てもらえるか。

子ども。汚染の強い地域では事故後25年経っても内部被ばくは存在。80Bq/kgを超えるのが3%。

子どもが森林に入っていく。それを止めることはできない。国は努力してきたが、個人個人の行動が異なるため、コントロールは難しい。それを理解することが大事。

www.rbic.by    (註←情報センターのアドレス)

レスキューのために来たのではない 経験をシェアするために来た

質問>zoningについて。線量(mSv)と汚染(Cs、Sr、Pu)。根拠は?

本間先生、いい質問!

答え>土壌沈着量と平均線量(外部内部含めて?)。計算上の考えられる被ばく量。3、4年経つと、そこまで高くないことがわかった。測定そのものが場所によって違うこともあり、測定クオリティの一定化。4年ごとに更新。予測値と現実値が合ってきた。

質問>チェルノブイリにおける内部被ばくの寄与が比較的大きい、という結果を見るが、市場への出荷制限が効いていないのか?自家産品を食べることで大きいのか?どっち?

(早野先生のコメント: @fukuwhitecat さんの中継を読むと,ベラルーシでAT1316が有効なのが良くわかる.「汚染の強い地域では事故後25年経っても内部被ばくは存在。80Bq/kgを超える子どもが3%」.南相馬の子どもでセシウム検出は少ない→http://t.co/SoV7XOb6 AT1316は簡易型WBC

答え>許容量についてはセシウム以外の核種も考慮をしている。個人個人の食行動によって異なる。農家側の方が高くなる傾向。そういったものも考慮して(?)現在1mSv…(ちょっと違うかな〜…)

質問>子ども達の内部被ばくについて

答え>子どもの内部被ばく低減→親との対話。この汚染はどこから来るか。特に田舎。森林に入りワイルドなものを食べる。富裕層ではない(!)。高いことには理由がある。学校、親、情報センターが協力。正しい情報発信。社会的保護。汚染量を減らす

答え>勧告を守ること。これを守らなければ内部被ばくが高まる。こういったことを信用しない、耳を傾けなければ食べてしまう。注意をしているならば高まらない。



ノルウェーの取り組み。放射線防護局:アストリッド・リーランド

ノルウェーチェルノブイリが初めてではない。大気圏内核実験。

1986年。1000kmも離れたところから放射能が来た。放牧地に影響を与えた。それは森林地域。除染が難しい。5月上旬、情報が少なかった。スウェーデンが初めて気付いた。

拒絶から管理へ

オスロにはなにも影響はない。対策はいらない」いうべきでなかったorz。農村地帯の汚染は大きかった。パニックが起きた。情報危機。6月くらいまでに対策が作られた。避難は必要なかったが、食品は廃棄されたものが多かった。8月にモニタリングステーション立ち上げ。

1986年秋 食肉廃棄。冬〜モニタリング開始。食肉として使えるようにした。プルシアンブルーによる対策開始。食品は600Bq/kg。幼児用牛乳370Bq/kg。トナカイは高い!ので6000Bq/kgとした。なぜなら年間摂取量が少ないから。これでトナカイの繁殖が続けられる。

1986、87年に報告された最大値 牛乳 1150Bq/kg やぎの乳2880Bq/kg

数年後。トナカイを3000Bq/kgへ。最初の1年で報告された最大汚染。牛乳1150。ラム40000。となかい150000。キノコ1-2MBq/kg。初年度は5mSvまで。以後1mSv。80000Bqの摂取で1mSvとした。妊婦は40000Bq。

ノルウェーでの取り組みについて。汚染を知ったことによる初期パニック、情報危機は、ノルウェーでも起きていた。 http://t.co/VfMB8KFt

トナカイ、牛乳。最初高いものは廃棄。家畜についてはゾーニング。実測による。絶対に販売してはいけないゾーン、クリーンフィーディング後に売れるゾーン、さほど必要がないゾーン。

農産物は1年目のみ特別なプラン。耕作地に対する対策。その後は特別な対策は必要なかった。放牧地に対してはプルシアンブルーをまく。塩に混ぜる。食肉、牛乳からの汚染を減らす。と殺前にクリーンフィーディング。8〜10週で基準値以下。トナカイはと殺時期を変えた。冬→秋

牛のlive monitoring!!(どうやってるんだろう?)

プルシアンブルーは大変効果的。2009年のゾーニングでは出荷禁止ゾーンはない。2010年11月の最大。ラム4500。トナカイ15000。介入が可能。ヘリによる空間線量計測も行っている。

地域モニタリング ヘリコプターで 2011年実施

ゾーニングは大変効果的。生産者にも、消費者にも。理解が進む。店舗で売られる商品についての信頼性は高い。住民の間では恐怖感は取り去られている。モニタリングデータはインターネットで公開。25年分。輸出…トナカイ、羊はEU圏内でも出せない。

コスト。書き取れない…

(コストは第1回のダイアログセミナーまとめでちょっとつぶやいた気がする)

これまでにかかったコスト 農家への補償 

結語(せかされた):(えーっと…)様々な対策を取ることで、十分に汚染を減らし、経済活動を継続することも可能。大変効果的。


サーメ人の測定:ハーバード・トーリング

WBCサーメ人ノルウェーフィンランド少数民族。トナカイの放牧。3万人くらいいるが、トナカイを飼う人は実際には少ない。伝統的にトナカイ肉を食する。トナカイの主食がコケ。それの汚染が高い。

汚染の高い地域にサーメ人が多い。え?最大35000Bq/body?

トナカイ肉。6000→3000Bq/kg。モニタリング。汚染の少ないトナカイを育てる。対策による内部被ばく低減は大きい。

2011年の計測。トナカイを育てている地域。70〜80Bq/kg(中間値)。結果を1対1で説明。何を食べているか。どんな生活をしているか。食べることでどんな影響が出るか。1mSv/年以下で影響はでない。しかし下げられるものは下げよう、と説明。

スカンジナビア3国でのサーメ人の健康状況。がんの発生率はサーメ人の場合、他の民族より低い。放射線関連(例えば血液)がんについても取り立てて高くない。前立腺がん、大腸がんについてはむしろ低い。ただしハイリスク群の人口は少ない。モニタリングは継続。

質問>サーメ vs notサーメ。

答え>ノルウェー南部のサーメ人への影響が高い。北部はさほどでない。比較が難しいが、25年の結果を今まとめ中。

ロシャール>ちょっと緊張を解こうよ、ネ♡

(参考:第1回ダイアログセミナーの発表資料→ https://t.co/skf4o7U6 かなりかぶっているところあります。ご参考まで)


セッション4。フランスを飛ばしている。

福島のエートス。始まったばかり。暮らし方の目安。
(福島のエートスの発表資料)←次の日に公表された
https://docs.google.com/file/d/0BxqSmDmQ78xCTS02QTFHREFSWDJ0d1VndkdOV3FzUQ/edit?pli=1

安東「福島での活動を紹介 福島で暮らしていくという暮らし方の活動」

いわき市田人地区の勉強会が発端。それ以前の福島は情報の混乱。情報をどう扱えばいいかわからない。また放射能が人間関係に及ぼす影響が大きい。自分がどう理解するか、住民同士が話づらい。メンタル面。話そうとするとぎくしゃく。講演では対応できない。対話。

もともとの人間関係に影響が出ているわけだから、もともとの人間関係のプラットフォームで解決。まず勉強会。水野義之先生の協力を得て。ツイッターで知り合った。講師をお願いした。

勉強会。24名。疑問は生活に切実に密着(家庭菜園、堆肥、森林、健康影響、今後の生活の注意点)。専門家の先生に教えていただくことは難しい。住民自身が考える必要がある。

続いて久之浜で勉強会。ここは継続していきたい。様々な意見。詳しくはサイトの対話記録で。しかし田人と一緒。日常生活をどうするか。一方的では難しい。

エートス福島の契機。久之浜の準備中に関係資料の翻訳が始まったのが契機。現在は計測のあとの対処を自分達で解決。住民と専門家、行政との協力。その上で住民自身が放射線防護を考える体制。既存のコミュニティをうまく使う。ただし放射線に関しては互いに話しづらい空気。そこをまずは解きほぐす。

対話集会を行う。しかし判断をするのは住民。判断を助けるのが専門家。

目標。まずは1年間。何かを形にしたい。故郷への帰還をするかしないか。現状は除染のみが問題になっている。生活に沿った選択肢が呈示できないか。

いわき→郡山への拡がり。線量はいわき<郡山。郡山は都市部型。少しあり方が違う。まずは現状把握。情報に基づく勉強会。知識を身につけるところから。自分達で体感。やってみて納得。

活動の構築。住む人、ネット上の人との繋がり。資料を増やしアーカイブエートスサイトに情報を集約→これがネット担当の仕事。ツイッターによるコミュニケーション。情報共有。住民への助力。ネットと住民が両輪。全体の方向性を決めるのは地元の人間。福島での現実の暮らしを改善するのが目的だから

広大なネットには知識がある。それを有効に使う。

「福島を見捨てない」(住民自身が)

避難、残留の判断を主体的に。残留を選んだ方に助力。「福島を見捨てない」を共有出来る方と連携し、形にしたい。これは対処できる現実。




続いて中川先生「飯舘村の再生について」

お仕事。放射線治療。緩和ケアチーム。多様な職種が関与。チーム医療。これが再生にも役立つのではないか。チーム中川。

4月、福島で測定。飯舘を中心に。

空間線量率と実際の被ばく量は少ない。飯舘での線量もそう。(報告者注:現在その部分について検証をせねばと思っている)

空間線量の約十分の一が「個人線量」

飯舘村長と話し。全村避難。老人施設の方の選択肢。「県外分散」「県内移転」「居続ける」の3選択肢→最後の選択肢を選択。100才の方。誕生日を祝った。ホーム内の線量は低い。チーム中川としては「残るべきではないか」とツイート。

勉強会。寄付。セミナー。まずは知識を高める。

飯野に集団移転。「野菜を作りたい」「モノが作れないなら帰っても苦しい」「除染はできないんじゃないかと思っている」「飯舘にきて生活してくれ」「原子力推進の回し者じゃないか」

中川「週刊文春の記事 同じソースで北海道新聞は問題ないと。内科の先生は怒りの記者会見 週刊文春は反論 私から見ると内実ない記者会見。東京メディアが煽る構造」

新聞発行。安東さんも仰ったが、サポートをネット上などでも。週刊文春の記事。道内の新聞と乖離。実際に検査を行った医師は文春に対し反論会見。混乱。既存メディアが混乱を助長している部分がある。国の「住民へのおもねり」も問題。

飯舘村の方)まったく想像をしていなかった事態。行政が出来ること、被災者が出来ること、両方ある。除染。机上の対応に見える。現場で。大事に。深く考えて欲しい。現場を訪れて欲しい。学者がたくさん来た。それぞれの分野で出来ること。みんなが一緒になって考える。横の連携を取って欲しい。



たむら市での取り組み:たむらと子どもたちの未来を考える会

田村市原発から40km。線量としては低いところが多い。街中心で0.1μSv/hちょっと。

AFTC:たむらと子どもたちの未来を考える会。商店街のおじさんの集まり。会長は自動車屋。まずは勉強会(4月5日)。自分は学習塾。今子どもは1/3。旅行会社は仕事がなくなった。最初は避難なの?どうするの?がポイント

活動報告。毎週日曜日に勉強会。続いて市民集会。つまり行政主導でなく、市民主導で市長を呼んだ。

他の地域でも講演活動。食品に対する放射能情報の提供(ネット上でも)。何を信じるか。厚労省のデータを利用。正しい情報をチョイス。

学者のいっていることはよくわからない。地元のわかる人が情報をもとに読み解く。それを周辺に伝える。Csに含まれる食品による被ばく量を説明。タケノコ。Csは吸うがIは入らない。現地の状況に応じたリスクコミュニケーション。

セシウムの母乳への移行は非常に低い。

避難して亡くなった方は多い。


NPOの役割:国連大学 安井格先生

AFTCとの関連。福島ステークホルダー調整協議会。現在ご自身は製品安全、リスク関連のお仕事。リスク概念を拡げる。

NPOが必要な理由。信頼出来る既存組織がない。国の信頼失墜。そのための過剰反応。例:関西地方の津波がれき引き受けに対し、担当者に何十本も電話がくる。そのために中立的なスタンスが必要。何が必須の情報か?→リスク概念の理解。

「リスク」は「危険」ではない。「不幸を起こさないための人間の知恵」。リスクは比較ができる。リスクの比較は選択肢を選ぶ際にヒントを与える。

PETのリスク。10mSvのリスクvsがんの不検出のリスク。

被ばくリスク。(例えば)10mSvのリスクvs精神的リスクvs経済的リスクetc

リスク管理にはものさし、はかりが必要。天秤。

ステークホルダー協議会。「福島県内の融和と調和を守る」。話し合えるテーブルを作る。情報収集。情報発信。

「心の除染」う〜む。物議かもしそうな言葉。

スクショ安井先生 http://t.co/kAbUM2Ft
スクショ安井先生2 http://t.co/gPgYbCC7
スクショ安井先生3 http://t.co/e0cHIKZC
スクショ安井先生4 http://t.co/WfAFLmqf
スクショ安井先生5 http://t.co/mhuQN9WI
スクショ安井先生6 http://t.co/4UT07EEs
スクショ安井先生7 http://t.co/v5QETDhO


コミュニティー医療の役割:福島県医師会から

県医師会:研修会、県民健康管理についての説明会・協力、日常診療を通じた放射線不安解消、全体を連携した健康管理への取り組み。地域を守る立場。

研修会。医療従事者向け。3.11前はなかった。疑問に答えていかなくてはいけない。

県民の健康を守るために。医師会も全面協力。地域密着。

日常診療での不安解消。外来、入院。出来るだけ話をする。

現状。県外流出。一般のみならず医療従事者の流出がある。また単身生活等によるメンタル面と身体面の影響。あらゆる面での風評被害

勤務医減少(実況人注:わたしのtwilogみてください)

(今後の取り組みについては非常に一般的な内容なので省略)

地域医療の再生。広域の医療・福祉・介護連携が必要。県北に三医師会。協調した行動による地域医療向上。急性期・慢性期・施設。連携強化。

医療機関や専門家も、そしてもちろん住民もみんなこんなに真剣に、同じ方を見て考え、取り組んでいる。それぞれ孤軍奮闘。ようやく、手の届くところにお互いがいたことに気づけたような。一方で未だフィルターにかかった情報で右往左往している人もいる。誰かを攻撃している人もいる。そんな福島。


ロシャールさん>15分の総合討論。こういう急性期の事態にもいろいろな取り組みがあることを感じた。

中川先生>文春の記事。甲状腺ガンについて全国の関心が高い。チェルノブイリでは増えたことをみなよく知っている。子どもだけでなく大人のスクリーニングも始まっている。韓国の女性のがん罹患1位が甲状腺がん乳がん検診のついでに発見される。その結果韓国ではがん保険の給付対象から外れた。

質問>困っているのは内部被ばく。ペクチンは?どうなの?その他に何かあるの?(ふー…)

答え>ペクチン錠剤。濃縮したものがドイツで販売。高価。ラット実験では効果なし。唯一ウクライナの研究あり。WBCペクチン投与群が下がるというデータ。しかし要因がはっきりしない。研究者の間では灰色。

答え(外国人参加者)>野菜へのセシウムの移行を減らす。K追肥。減らせる。/ペクチンベラルーシでも議論した。もっと安ければ?しかし実証がない。他の要因を排除し有効とするエビデンスがない。まずは入れないことが大切。何を食べると増えるのか。それを知ることで防護をするのが大変有効。

ロシャール>地域の結束力。正確な判断。チェルノブイリでも安全だ、といわれる地域でも偏見が根強い。今日の意見は赤裸々で、大変参考になった。「回復」には「汚染からの回復」と「人間的な回復」がある。後者も大変重要なんです。

コメント(外国人)>すでに放射線防護文化の匂いを感じる。住民参画は大事。意見交換も大事。今我々がやらなければならないことは何か、どんな犠牲を払わなければいけないのか。「いい」「悪い」でなく、自らが考え選択する、ということが大事。専門家との連携。それをいかにやっていくか。

(続き)ベラルーシでも育っている放射線防護文化。科学だけではない。日常生活の中でそれぞれが正しい選択をする。統計を取ることが重要ではない。データを、対話の場で共有する。そこからどうするべきかを考える。そのための対話。

(続き)特に、子どもたちが教育を通して、新しいことを発見していく。それが大事。

外国人>WBC。内部被ばく。これからの体制についてはどうか?

医大(直接の担当ではないが)>年度末にかけてWBCは県内に20台体制。概ね椅子と立位が半々。主体がまちまち。現時点での使い方は、まず1回やる→急性期被ばくの評価にとどまる。以後は、継続した検査。1回目より2回目を下げること。高い群を下げる方向に誘導すること。しかしそこに至らない。




セッション5:地域、国レベルの協力

第1回ダイアログセミナーからの変化:地元メディア(1)さま

前回のセミナー(11月時)から変化はあるか?あまりいい感じになっている気がしない。低線量被ばくの混乱は進んでいる・拡大しているように思う。例えばがれきの問題。このままでは福島県は孤立しそう。誰かが力が結集しなければ難しい。活動は増えた。点ではなく協調へ。

もう1年経つ。きっちり最初に巻き戻して説明が欲しい。丁寧に。


地元メディア(2)

新食品基準。地域経済にとって農耕は重要。そこも置いてけぼり。今後は?基準値を自治体が運用するにも困難がある。運用コストも必要。福島の現状を風化させれば、このコストはムダと思われてしまう。

福島市内にもベクミルカフェ欲しいなあ。


在京メディア

様々な現場の取り組み、参考になった。東京からみて何が変わったか。何も変わっていないように見える。健康調査、除染、新基準。

健康調査。200万人。被ばく量調査。遅れている。先行調査の発表が4ヶ月遅れ。自分の線量を知ることは重要。リスクの対比。モデルパターンの公表も遅れた(18パターン、最大19mSv)。情報をありのままに出すこと、それが足りない。県も国もいうが守られていない。

除染。やっぱり(つらいけど)線引き必要だろうな。3/11以前には戻れないし。地震津波被害なら「起こってしまったことは仕方ない」と思えるけど。

食品新基準。厚労省文科省の対立。東京では厳しい基準とは受け止められていない。消費者目線。生産者視点はない。現地と乖離。不安と理屈とのバランスが取れていない。作付け制限、地域コミュニティの問題は非常にローカル。点の力が集約されれば何かが生まれる…?

県から伊達市

食品基準はとても厳しいのに、、 http://t.co/XqaLHgVe

子どもになにかあったら? http://t.co/0onI9kba

除染作業従事者に基礎知識の提供。底上げ。年度内に15回開催。放射線除染講習会を年度内に30回。

面的モデル事業。実証実験。大波地区で試行中。今最後の段階。この結果に基づき手引きを。その他、技術実証実験も行っている。

除染対策課。汚染地図呈示。①1mSv/y以下、②1-5mSv/y、③5mSv/y以上に区分。汚染対策特措法。③は国。②は市町村。県は?→市町村のサポート。①事業者育成の加速化、②技術的支援、③住民理解の促進

技術的支援。除染情報プラザ。2月24日に展示スペースオープン。県民からの質問に応じたり、専門家を派遣したり、ボランティア登録したり。1月以降、100件以上の問い合わせ→30件程度専門家とマッチング。

伊達市はもっとも先行した地域。専門家との連携。モデルとしていいやり方と思っている。春先にかけて加速が必要。施工管理養成。

コスト。市町村さまの使い勝手がいいように。

国から伊達市

原子力災害現地対策本部。原発監視、モニタリング、スクリーニング、自治体・住民支援。

福島に環境省の出店(除染、汚染廃棄物担当)。復興庁も出店(インフラ、産業復興)。

最初は安全の確保。これからは安心の確保。具体的には廃炉、除染、帰還準備、放射能管理体制強化、健康管理、リスクコミュニケーション。

伊達市。特定避難勧奨地点。避難区域は国土の0.25%。人的、経済的被害は甚大。

個人的に…1年間福島で過ごして、行政に求められていること。不信、縦割りはよくいわれる。なかなか拭い去れない。県、市町村のお力を借りて補っていくしかないか。使い易い予算整備。リスクコミュニケーション、食品検査。帰還に向けて。しっかりと地元のニーズを吸い上げなくてはいけない。

縦割り。大きな枠でやっていることなので…国の中でも相互チェックが出来る仲間を増やすことが大事。連帯感。solidarity。

伊達市から国、県へ

行政に対する不信の払拭。原因:避難指示の不安定、データの公表遅れ、対策の縦割り。避難指示は市町村長の役割なのだが、例えば自衛隊は知っているのに市長が知らないような事態があった。

国へ。戦略的、かつ思い切った決断で信頼回復を。放射能との戦い。時間との闘い。住民の意見を聞くこともいいが、行政の決断も必要ではないか、と考えている。

放射能不安の解消。学者の問題もあるのでは。無知もあるが、安全神話も原因に思う。いったん事故が起こってからの対応がまずい。科学が情緒に変わる。市民の不安が過剰になる。

対策。自分で測定、情報公開、教育。国の統一見解を。

1mSv/yは可能か。下げればいいのか。もっと総合的な判断が必要では。

現場に権限と予算を委譲してほしい。

オーバースペックだ、といわれる。そういうことはやってみなくちゃわからない。

人災意識の払拭。

市民が自らやる。除染センターの開設。廃棄物仮置き場の問題。あえて市役所の後ろに一部置いている。小中学校に埋められないもの(遺跡があるため)。受け止める。

行政への不信の払拭のために http://t.co/CS52XbGJ

放射能への過剰な不安の解消 http://t.co/p00gucWR

不安の解消2 http://t.co/IduLqagF

権限と予算 http://t.co/D973O6ES

人災意識の払拭 http://t.co/KiR1cRCI


外部から(田中俊一先生)

福島県民の願いと不安。一刻も早くもとの生活に戻る、というのが願いなのではないか。事故から1年。復興は遠ざかっている?基準値の変更、低線量被ばくの健康影響など、一部に科学的根拠から離れるものがある。

除染の対策が遅い。除染対象の線引き。いつ戻れるのかわからない不安。

今は戦いの最中。平時ではない。
http://t.co/JzpoZ3Do

「生涯被ばく100mSv以下はリーズなぶるか?」「新基準値切り下げは科学的合理性がないのでは?」「水田の耕作制限の合理性は?」「除染電離則は除染を妨げるのでは?」

厚労省の試算:現実の食品摂取での被ばく線量は0.1mSv程度。新基準との整合性は?新基準で下がる線量は数μSvと…

基準を下げること→風評を抑えるのでなく逆の効果になると考える

除染電離則に矛盾が多い。作業者の追加被ばくは1mSv/y。福島県民は?

なんじょしたらいいべ?

怒りを復興のエネルギーに変えて。正しい知識を身につけること。被害者意識を乗り越えて。

放射能測定、個人被ばく量モニタリング、気軽に診断・相談を出来るシステム。

水産業への影響 http://t.co/mFLj7xui



外国の視点(OECD

なぜ外国の者がここに関連しているのか。OECD11カ国はこういった複雑な状況を解決に向けられるのではないか、と。国、県、NPOそれぞれが参画すること。それぞれに役割があるのではないか。ステークホルダーの協力。この対話。

この会では、ノルウェーベラルーシの経験をお伝えすること。そして外国参加者は、現在の状況を現地の方から教えて貰って学ぶこと。

被ばく量の低減。効果をきっちり見る。管理。よりよい形で。さらに必要なのは、「個人」が自分の状況をはっきり知ることの出来るシステム。子ども達を守るにも、「どこから線量が来るのか」「何をすると線量が増えるのか」知ることが必要。

生産者。米。日本の文化という側面を外国人は理解が必要。

除染。助言だけでなくサービスの提供。情報プラザによる知識の普及。復興のために。もしかするとこういったプラザから掘り下げた仕事ができる可能性がある。

ヨーロッパの事例は当てはまらないかもしれない。しかし経験を伝えることは重要に思う。科学的根拠は大事。しかし人間と人間との関係、人間的な側面を伝えることも仕事と思っている。社会的な復興。こういった意志決定が長期的に通用する内容としてなされることを希望する。

情報の共有化 http://t.co/i4yNCPy8

透明性の高い対話 http://t.co/yylkgvaF

海外からは何ができるか http://t.co/VRZ95vOF



セッションは終了。討論へ。

ロシャール>「11月から何も変わっていない」。強いメッセージ。ここからまず始める。

中川先生>飯舘村の除染に100億。これは村に入るのでなく除染事業者へ。若者は除染に対し否定的。除染の予算は村を素通り。最終的に村民が戻らなければ環境保全のためだけになる。除染は人間のためにやること。住民のために少しでも使えなくては意味がない。

菅野村長>帰れるか帰れないか。わからない。時間ばかりが経つ。人間の尊厳、人権を奪われたような状態。一刻も早く解消したい。心のケアを国が対応を。

菅野村長>もっともっと世界の叡智が結集すると思っていた。しかし1年前と変わらない。多くの力が入るよう、絞り込みをしないで欲しい。

菅野村長>原発を作る技術があったならば、抑える技術があるのが本当ではないのか?

(しまった、村長さんではありません汗汗汗)

国>除染予算。飯舘村からも強い要望。環境省自治体を経由する仕組みを準備中。当事者が自らハンドリングし、リスコミまで含めた予算になるように。

岡先生(福井県立大学)>1年経って変わらない理由。正しい知識の普及というが、そうか。結局科学的にもやもやのところはもやもやが残る。明確な事がいえないことは残る。自分自身は政策分析学者。わからない部分のリスクの捉え方。費用対効果で見るしかないのではないか。こういった視点も必要では?

「低線量影響はわからないと専門家が言うと何もわかっていないという印象を与える。100mSv以下についての影響が見えないのでわからないと言わざるを得ない。」

甲斐先生>低線量の影響はよくわからない、といわれるが、「なにもわからない」と捉えられる。「なにもわからない」のではなく「疫学では見えない」ということ。これをしっかり説明できるかどうか。自分達も反省。人によって納得のツボが違う。

甲斐先生>マスメディアの方へ。情報がはしょられる。取材側は結論を求める「要はわかっていないんですよね?」←これが見出しになる。学会論争で白1、黒99だと、報道上「白と黒がある」になる。これも…

「マスメディアは不特定多数に情報伝える。私達としてどこまでわかっているかどこからわかってないと説明しようとするが要はわかってないんですねと言われる。わからないということだけ残る」

ロシャール>科学者からの意見。メディアからの意見。

医療者>健康調査、回収率低い。甲状腺検査、エキスパート少ない。自分達で出来ることはなにか。

甲状腺検査33万人にしなければならない、全国から応援してもらってやっているような状態 医師会としても講習会開く予定ではいる」

「国や東電に言う前に我々でできることは何かということも検討して欲しい」

中川先生>被ばく線量と余命損失に関して(岡先生の意見を受けて)。がんのリスク。放射線以外との対比。しかし被ばく以外は目に見える。何とのトレードオフ?避難→補償→お酒とパチンコ→余命損失が大きいと思われる。

「9.11後交通事故が増えた、飛行機に乗るのが怖くて長時間運転を選ぶ人が増えた背景」

現地メディア>放射線防護の理解が進まないところが問題なのであって…。/現地メディアの場合、読み手からの求めは、白黒はっきりしてくれ、と…しかしそれで読み手の行動が大きく変わる。難しい。

丹羽先生>(マスコミ向けに)科学者にもいろいろな専門がある。しかし今はほとんどの方が放射線に関して話をしている。PubMedで見てみて。もともと専門じゃない人は、そういった研究をしていない。そういう人の今のコメントは又聞き。その辺りの見極めを。

水野先生>低線量の話、誰がどこで躓くか。科学者の言葉が直接伝わるわけではない。ロシャール氏の言葉。アーレントの言葉「原爆を作った科学者は原爆を非難できない」「しかし科学者は、科学的な言葉しか使わず阻止出来なかった。他人にわかる言葉を使うべきだった、という点は非難される」

ロシャール>田中先生からの問いかけに対して答えなければならない。ICRPの委員が共有する価値がある。それを用いて説明した。ICRPの見解。放射線防護とは、被ばくを出来る限り避けることが望ましい。それを踏まえ、行動に移すべき価値があることを説明したい。
ロシャール>平時。すべての線源はコントロールされている。例えば病院。その際の基準1mSv/yは、「まったく気にしなくてもいいであろう」追加被ばく量。
ロシャール>線源がコントロールを失った場合。100mSv/yはいかなる手段を使ってもそれを超えぬべき線。では100mSv/yを受けろ、というのかというとそうではない。100mSv/yの下で、出来るだけ低い目標を設けて管理していく。そしてそのレベルは、実測から設定されていくはず


水野先生>安井先生の提案したステークホルダー協議会。多くの多業種専門家の参画の必要性。なかなか提案として出てこない。個人で出来ることはあるが、もっと大きな力にならない。科学者が、市民にわかる言葉で伝える。対話。そういったコンソーシアムは出来ないだろうか?という要望。

ロシャール>ダイアログを地域社会と専門家が対話を始めることの出発点に、との要望がある。地域社会、地元自治体、住民を含めた協議会。いろいろな問題を話し合う。ベラルーシの教訓。何らかの形で地元のプロジェクトを支援。小さなプロジェクトもいい。少しでも状況改善ができるなら。

ロシャール>提案は多くていい。住民、メディア、国際的な目、いろんな評価があっていい。淘汰されても。そうやって状況を改善する仕組みを出来るだけ作っていく。県内外・国内外の協力。

休憩…(番組の途中ですが、これは実況です。個人的な意見は()つきで述べています。出来るだけ発言者の本意に近い形でお伝えるように努力しております。お見苦しい点はご了承ください)

ロシャール>まとめに入りたいと思います。

ロシャール>Niwa先生から、田中先生の質問に一部しか応えてないのではないか、との意見。甲斐先生から説明。

甲斐先生>住民は20mSv/y以下、なのに除染作業者は1mSv/y以下。どうしてこんなことになるのか?というのが田中先生のご意見。ICRPは、低線量のリスクを直線しきい値なしモデルとして「防護」を考えている。これは「防護」。リスクとベネフィットのバランス。

甲斐先生>リスク。限りなく低くするためには大きなトレードオフ。コスト、ベネフィット、リスク、立場、状況すべてを考える。一律ではない。倫理的、社会的な判断も含まれる。確かにわかりにくい。説明を繰り返さなければならない。

ustream視聴中のたかよしさんのコメント
「低線量の放射線 将来癌になる可能性は大きくない、問題は0だと断定することができない、そこでICRPは可能性があるという直線で線量比例でのリスク前提線の引けないもの、リスクを引き受けることもある 」
「医療被ばくは放射線リスクあるが検査のメリットをわかった上で引き受ける。大前提はリスクはそんなに大きくないということ 誤解の原因 リスクそのもの低いほうがいいが低くするためには何かを犠牲にしなければならない、バランスの上でどのリスクを取るか」
「小さな確率をどこまで受け入れるかは最終的には受け入れる人の判断 それぞれ独立に被曝を減らす前提でやっている 食品問題もそうだが外部被曝内部被曝医療被ばく足して抑えなければいけないという議論ある 100mSv被曝すれば必ず影響うける訳ではないということがリスク問題を難しくしてる」
「サイエンスだけではない社会的価値判断も伴っている。被曝をする人が最終的には考えなければいけないが、社会的には住民が生活する上でのメリットあるのでどんなリスクあるか科学者は説明しなければ」

ロシャール>まとめ。第1回では文書を提案。今回も同じ形。数分前に出来た。ドラフト。

ロシャール>文案に対するご意見、ご提案を。のちに詰めて最終版にします。45名の出席者、50名の傍聴者。多くの職種、国の方の名簿、残していきます。

ロシャール>4つのポイント。1つめは除染。行政、ボランティア、NPO、独自のアプローチがある。情報共有にSNSなどは強いツールになる。

2つめ。生産者から。安全な食品を作ろうとする努力。制限をかけられることでの不利益はある。生産者とともに地域に住む消費者にも、離れた消費者にも安全な食品を届けようとする努力。除染プラザの設置は重要。self-protectionの促進。

3つめ。solidarity。全国からの助力。測定と解釈。専門家による説明。住民に届く形で。被ばくを抑えるための情報の提供。子どもを守る→親とのコミュニケーション。線量評価が重要。測定器へのアクセスは容易でなくてはいけない。
ベラルーシノルウェーからは、地域ごとに対策が異なる、ということ(ゾーニング)。

多くの関与者が、常に語り合える状況を作る。プラザ、センターの設置。

コミュニティの復興のための支援。

ダイアログセミナーの継続。意見交換の継続。

ロシャール>ご意見ください♡

ロシャールさん http://t.co/HA3U2ATl

(4つめのテーマが、コミュニティの復興でしたね。)

丹羽先生によるPPTプレゼン(先ほどまでの内容)

(ただいまディプロマットさんが翻訳中…いずれ公開される提言でございます)

(いずれ公開されますよ〜<提言 すでにこれは諦めた汗)

まとめ2 http://t.co/TiEiS1Cj
まとめ http://t.co/gKRJfDxO
まとめ3 http://t.co/AuZzoYCu
抜けてしまった、、 http://t.co/IQkxIOYc
まとめ5 http://t.co/LYJtJIve
再掲 http://t.co/fT3tdHcz
クローズ。オツカレサマデシタ!実況モードを解きます。